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私小説から作家について知ろう (2015年1月分)

             
1月展示         

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 私小説とは、作者が自身を主人公として書いた小説で、実際に体験したことやその時のありのままの心境を素材にして物語にした文学形式のことです。これは、日本独特の形式だと言われており、大正末期から昭和の一時期までとても盛んに書かれました。そして、私小説は現在でも書かれ続けており2011年に芥川賞を受賞した西村賢太の『苦役列車』は記憶に新しい作品です。
 私小説の源流と言われている田山花袋の『蒲団』を始めとする多くの作品は、恋愛における失恋や三角関係、人生の挫折など自虐的な内容を扱っており、作者の勘違いや情けなさから展開される話が面白く、小谷野敦の『私小説のすすめ』には、私小説の題材となるものは「情けなければ情けないほどいい」とも書かれています。このような私小説は「破滅型」とされ、その対極が「調和型」と言われる、いわゆる志賀直哉の『城の崎にて』や『和解』のような作品で小動物の死から感じた生や父との和解という実生活との明るい調和が書かれたものになります。
 どちらのタイプも、作者の心境がありのままさらけ出されていながら、物語として成立していることが読み手を楽しませる私小説の魅力の1つなのではないでしょうか。
 しかし、私小説に関しては様々な議論がされていて、日本が誇る文学形式であると評価する意見がある一方で、私小説が日本の文学を貧弱にさせたなどの批判的な意見もあり、中村光夫の『風俗小説論』は私小説批判の書物として有名です。
 このように、様々な評価や議論がされていますが、この機会に私小説という文学形式に触れるとともに、伝記や作家研究の本などとは一味違った角度から作家について知るきっかけにしてみてはどうでしょうか。


【参考文献】
・"ししょうせつ【私小説】", 国史大辞典, JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2015-01-14)
・小谷野敦著『私小説のすすめ(平凡社新書)』 平凡社 2009年7月発行
・梅澤亜由美著『私小説の技法―「私」語りの百年史』勉誠出版 2012年12月発行
・私小説研究会編『私小説ハンドブック』勉誠出版 2014年3月発行

懐かしい童謡・唱歌 (2015年2.3月分)

             
2.3月展示         

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 「七つの子」や「夕焼け小焼け」などの童謡・唱歌というと昔、学校帰りに口ずさんだり、お母さんと一緒に歌った人も多いとは思いますが、曲は知っていても、詞や詞が書かれた時代背景を知る人は少ないのではないかと思います。
 例えば、作詞北原白秋、作曲山田耕筰の「この道」。この童謡の舞台が実は、北海道だったという事を知っていましたか?この詞について横山太郎著の「童謡のふるさとを訪ねて」によると、「白秋は鉄道省が募集した『樺太観光団』に参加して樺太を観光し、岐路稚内から一行とは別行動をとって友人と二人だけで北海道旅行をした印象を詞にした」(横山,2011,p13)とあります。
 当時の北海道の時代背景は、明治政府の政策(明治維新)によって日本の重要な一部と格付けされたり、クラーク博士が中心となって札幌を代表する学問の都にするなど、それまでの「北海道」=「最果ての地」というイメージから近代的で可能性に満ちた街へと変わりつつありました。このような近代化へと変わっていく時代背景を目の当たりにしたからこそ、白秋の印象に強く残り、詞に書かれたのではないでしょうか。
 また、作詞相馬御風、作曲弘田竜太郎の「春よ来い」。この童謡は「じょじょ」や「おんも」といった幼児語を使い、こどもにもわかりやすく、歌いやすい詞となっています。さらに子供が春を待ちわびている様子や、そのこどもを見つめながらこどもの成長を願い、喜んでいる両親の姿が目に浮かび、誰にでも親しみやすい童謡であったのではないかと考えられます。
 しかし、日常的に歌われていた「春よ来い」がそれとは違う思いを込めて歌われたのは、この童謡が誕生した同年9月、関東大震災が起こった時でした。この震災によって甚大な被害を受けた多くの被災者がその日その日の生活もやっとの中で最も歌い、聴いた童謡の一つがこの「春よ来い」だったと言われています。困難を乗り越え、また春を迎えようと懸命に生活をしていた人々が願いを込めてこの童謡を歌ったのではないでしょうか。
 皆さんもこの機会に数ある童謡の中から詞に込められた思いだけでなく、どのような時代にその詞が書かれたかという時代背景にも目を向けてはいかがでしょう?
 <参考文献>
 ・横山太郎著 (2011)「童謡のふるさとを訪ねて」明治書院出版
 ・”近代[国史大辞典]”, ジャパンナレッジ, 入手先(参照     2015-2-25)
 ・読売新聞文化部著 (2013)「唱歌・童謡ものがたり」岩波書店出版

  

キラキラドリームプロジェクトで夢を実現させよう(2015年4月分)

             
4月展示         

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 本学では、平成25年度から学生が企画・運営するプロジェクトに対して、大学が費用を補助して夢の実現を応援する「キラキラドリームプロジェクト」の取り組みがされています。このプロジェクトには、本学の学生であれば誰でもエントリー可能で、自分のアイディアを公開審査会でプレゼンテーションし、採択されると夢の実現に向けて地域・企業の方々にご協力いただきながら活動をしていきます。
 昨年度は、縁切りをテーマに新しい自分に生まれ変わってもらう旅の企画や健康栄養学科の学びを活かしたボードゲームの作成、怪談に関連したお土産「ほういちの耳まんぢう」の開発などの夢が実現しました。
 今回の展示では、このキラキラドリームプロジェクトで採択されたプロジェクトを紹介するとともに、プロジェクトに関連する郷土の資料等を展示しています。縁切りのテーマになった場所はどんな所?「ほういちの耳まんぢう」の原案になっている小泉八雲の作品って?など島根について知るきっかけにもなるのではないでしょうか。
 また、商品開発の本やプレゼンテーションの本なども展示していますので参考にしてみてください。
 興味がある人は、是非キラキラドリームプロジェクトにエントリーして夢を叶えてみませんか。

<平成25年度採択事業>
○Let’s Go ダーツde夢探し旅!プロジェクト~日本全国の「夢」と出会う~
○COME BACK TO OUR HOME!~島根でプチ留学体験~
○ご当地絵本「お茶の絵本」プロジェクト~島根のお茶をもっと知ろう~
○SSS(トリプル・エス)プロジェクト※Shimane Specialty Smoothie
 ~島根の新たなお茶スタイル!お茶の力で活性化!~

ミラノ国際博覧会開催 ~ 国際博覧会について知ろう ~(2015年5月分)

             
4月展示         

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 今年の5月~10月の期間にイタリアのミラノで「ミラノ国際博覧会」が開催されます。
 国際博覧会(万国博覧会)とは、國雄行 『博覧会と明治の日本』によると、世界各国が自然のモノや人工のモノ、伝統的なモノや最新技術を駆使したモノなど多種多様な自慢品を陳列し国の威信を示す 場であるとともに、それらのモノに関する知識や情報を交換する場ではないかとされています。世界の初の万国開催と言われている1851年のロンドン万国博 覧会では、イギリスが工業化を象徴する機関車などを展示し、アメリカは陸軍用ライフル銃などを出品して来場者の注目を浴びました。以後、様々な国で万国博 覧会が開催されましたが、20世紀の世界大戦などの影響により、展示品の知識や情報を交換する場という意味合いが薄れ「国威発揚型」と呼ばれる国の威信を アピールする場になっていきました。
  しかし、21世紀に入りこのような方向性が見直され、「理念提唱型」と言われる地球規模の課題解決がテーマとなるようになりました。今回のミラノ国際博覧 会は「地球に食料を、生命にエネルギーを」がテーマで「食」についての開催となっており、世界約150カ国の地域や国際機関が参加して開催されます。
  そして、日本も「共存する多様性」というテーマで参加し、飢餓に苦しむ食糧難の問題と飽食社会での肥満増加という食料の偏在化や食料生産技術の国際支援な どの農林水産業の取り組みをはじめ、「一汁三菜」や「発酵・天日干し」などといった日本食に込められた様々な知恵と技、「もったいない」の精神などを紹介 し食に関する地球規模の課題解決の一助となるよう展示をします。
 今回は、ミラノ国際博覧会をきっかけに国際博覧会や国際社会、国際問題について興味を持ってもらいたいと思い企画しました。また、開催国のイタリアについても知ってもらう機会になればと思います。
【参考文献】
・“2015年ミラノ国際博覧会日本館”入手先http://www.expo2015.jp/expo/ (参照 2015-5-11)
・國雄行『博覧会と明治の日本(歴史文化ライブラリー298)』吉川弘文館 2010年6月発行
・平野繁臣著『国際博覧会歴史事典』内山工房 1999年7月発行

 

戦後70年(2015年6月分)

             
6月展示         

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 1945年8月15日多くの尊い命が犠牲になった太平洋戦争から今年で70年の節目を迎えました。「戦後70年」を迎える今、「自 分には関係ない」「昔のことだ」「よく映画の題材に使われているもの」などと他人事と思わず戦争の歴史を振り返り、戦争とは2度と起こしてはならない物だ と再認識することが必要ではないかと思います。
 日本が戦争に加わったのは日本が朝鮮への経済進出を始めた日清戦争からです。当時、他の国は「眠 れる獅子」と恐れていた清が日本に負けることなど考えてもいなかったようですが、そんな各国の予想を裏切り日本がこの戦争に勝利し、多くの利益を得たこと で「日本」と言う国は世界にその名を広めた一方で、「たかが1戦勝利しただけの弱小国」と考える国も多く、他国に脅威と考えられるまではいきませんでし た。しかし他国のそんな考えが変わったのは日露戦争がきっかけです。日露戦争では開戦から日本優位の戦いが続き、それまで戦争は白人優位と思われていた常 識を覆した日本の勝利の知らせに、日本は各国から脅威とされ、その後満州事変、日中戦争、太平洋戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦へと参戦していきま した。
 この長い戦争が終戦へと向かう決定打となったのは1945年8月6日午前8時15分広島に原爆が落とされ、その3日後の8月9日午前11 時02分長崎に原爆が落とされた事です。この原爆投下による死者数は広島、長崎合わせて23万人にも及んだと言われています。長崎の原爆投下から6日経っ た1945年8月15日正午、ラジオを通じて天皇から国民に降伏が伝えられこの長い戦争が終わりました。
 このように大まかに歴史を書くと「大し たことじゃない」と思われるかもしれませんが、これは単なる歴史の記録でしかなく、その時代に生きていた人々はいつ空襲に襲われるか分からない恐怖や自分 の息子や夫を「お国のため」戦地へ送らなければならなかった悲しみ、敵とはいえ同じ人間を殺さなければならなかった苦しみは私たちには計り知れないものが あると思います。また、終戦した知らせを戦地にいた日本軍人は捕虜となってソ連軍に強制拘留されたり、終戦の知らせを受け取ることが出来なかった人はその まま逃亡を続けた人もいました。戦争が終わったからと言って、すぐに開放され日常へと戻れるわけではなかったのです。終戦の決定打となった原爆を投下され た広島・長崎の原爆被害者は今もなお、2世、3世に渡って後遺症に苦しみ、戦っています。戦争とは人々の「悲しみ」や「苦しみ」しか生まないものではない でしょうか。皆さんもこの機会に戦争について真剣に考えてみてはどうでしょうか?
<参考文献>
・”朝日新聞DIGITAL” , 戦後70年に関するトピックス , 入手先<http://www.asahi.com/topics/word/%E6%88%A6%E5%be%8C%EF%BC%97%EF%BC %90%E5%B9%B4.html>(参照2015-05-22)
・中村良昭著 (2012)「スラスラ読めて丸わかり日本史」 新星出版

 

海外語学研修・海外企業研修に備えて(2015年7月分)

             
6月展示         

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 皆さんは「海外語学研修」や「海外企業研修」と聞くと「英語が話せない」「興味はあるけど勇気がない」と思い、行くことを止めたりしていませんか?確かにいきなり「海外語学研修や海外語学研修に行きませんか?」と言われたらそう考えてしまうのも仕方ないことなのかもしれません。
しかし、海外研修はその期間の中で留学先の地域の習慣や文化の違い、その国独自のマナー、例えばアメリカ人は人と会ったり別れたりするときの抱擁以外、大人は相手の体に触れたりしないというマナーがあることを知ったり、タイでは挨拶をする際、両手を前で軽く合わせ合掌して挨拶をするという習慣を経験したり、その地域の人とコミュニケーションを取る事は日本国内ではなかなか体験することが出来ません。このような異文化体験をすることによって日本とは違う文化や習慣、考え方を知り、今までとは違う視点から物事を考えるいい機会にもなるのではないかと思います。
また、企業訪問では会社役員など、現地で活躍する日本人の方々から企業の業務内容だけでなく、海外で働く上での貴重な体験談や将来皆さんが海外で働く際のアドバイス、今求められている人材について直接聞くことが出来るので、今後の就職活動にもためになるのではないでしょうか。
本学でも海外語学研修は夏休み期間中に約14日間、海外企業研修は1年生を対象に7日間の日程で行っています。この機会にぜひ、参加を考えてみて下さい。

<参考文献>
・”島根県立大学短期大学部松江キャンパス”, 国際交流 , 入手先, international>(参照2015-06-26)
・エスター・ワニング著, 篠原勝訳 (1998)「アメリカ人」河出書房新社出版
・中島マリン著, (2012)「タイのしきたり」めこん出版

中国やまなみ街道全線開通展示~観光産業について考えてみよう(2015年8月分)

             
8月展示         


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 2015年3月22日に広島県尾道市と島根県松江市を結ぶ中国横断自動車道の尾道松江線が全線開通しました。通称「中国やまなみ街道」と呼ばれ、国土交通省中国地方整備局によると、開通によって尾道松江間の所要時間が約2時間半となり、以前に比べて約80分短縮になったということです。
 この両県にまたがる中国やまなみ街道の沿線には、松江市、出雲市、雲南市、奥出雲町、飯南町、広島県の庄原市、三次市、世羅町、尾道市の9つの市や町が広がっており、さらに瀬戸内しまなみ海道を通ると四国とも直結することになるため様々な効果が期待されています。その主な期待とは、観光への効果です。利用者にとっては、利便性が増すことで遠出や旅行へ気軽に出かけられる良さがあり、観光客を受け入れる側の沿線地域にとっては、観光産業(1)の発展による経済効果が期待されます。そのため、街道沿線の9つの市町では、協力して観光スポットなどの魅力を発信したり、観光案内の拠点となる道の駅を整備したりと様々な取り組みをしています。
 現在、全国の地方や地域にとって観光産業の活性化は、経済効果をもたらす重要な産業の1つとなっていて、これから中国やまなみ街道をどのように活かして観光産業の発展に結びつけるかが大切になってくるのではないでしょうか。
 今回の展示では、夏休み期間に中国やまなみ街道を利用して旅行を楽しむきっかけにしてもらうとともに、観光産業について考えたり、沿線地域について知ったりする機会にしてもらえたらと思います。

【注釈】(1)交通や宿泊、土産品業、飲食業など観光客が関わる多様な産業のこと。
【参考文献】
・「尾道―松江、2時間半 中国やまなみ街道、全線開通【大阪】」『朝日新聞』2015/03/23/朝刊(38):聞蔵Ⅱ
・山陰中央新報(2015.1)「全通迫る尾道松江線陰陽新時代への期待キーワードは『周遊性』」山陰中央新報『週刊山陰経済ウィークリー』38(37):2
・“中国やまなみ街道 沿線の広島県・島根県の観光・イベント・ドライブ・旅行の情報”. http://ono-matsu.jp, (参照2015-07-28)
・加藤英一(2012)『新版大学生の観光学ノート』国際観光サービスセンター

統計やアンケート調査の方法について考えてみよう(2015年10月分)

             
10月展示         


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 10月18日は、「統計の日」だと知っていましたか?私たちの社会生活では、日々多種多様な統計やアンケート調査が行われており、結果が公表されて大きな話題になることもありますが、多くの場合は意識することなく生活しているように思います。
今年は、総務省による「国勢調査」が行われました。国勢調査は、統計法という法律に基づいて5年に1度実施され、国内の実態を明らかにするために国内に住 むすべての人や世帯が対象となっています。この調査結果は、国が選挙区の改定を審議する際に各選挙区の人口の把握に活用されたり、地方交付税の交付額を町 村部や市部の人口、高齢者数などの調査結果を利用して決めるなど私たちの暮らしの様々な面の改善に役立てられます。
 しかし、ここまでだとみなさんにとって馴染み深いものとは言い難いと思いますが、レポート作成や卒業論文の執筆などで知らない間に統計やアンケート結果を活用していることがあるのではないでしょうか。
 例えば、自分の論を立証するために官公庁の白書や年鑑等の統計結果を用いたり、自ら関係者にアンケート調査を行って結果から浮き彫りになった問題点の解決策を考えるということもあると思います。
 また、知りたい事柄(分野)によっては、「フィールドワーク(現地調査)」という調査方法もあります。フィールドワークは、想定した仮説を検証するため だけに行くのではなく、実際にその現場にいたからこそ把握出来ることや調べられること、想像しなかった発見などの成果が得られることが大きな利点だと思い ます。
 今回は、統計やアンケート調査について実際の手順や方法が書かれた本だけではなく、入門的な本も展示しています。統計と聞いただけで敬遠する人もいるかもしれませんが、これらの調査や調査結果の利点について知り効果的な使い方を考える機会にしてみてはどうでしょうか。
  【参考文献】
・総務省統計局.“統計調査結果の活用事例「統計は国民の共有財産」国勢調査”.統計局ホームページhttp://www.stat.go.jp/info/guide/kty2012/kokusei.htm, (参照2015-10-20)

国際アンデルセン賞って何?(2015年11月分)

             
11月展示         


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皆さんは「国際アンデルセン賞」という作家・画家に与えられる賞を知っていますか?
この「国際アンデルセン賞(Hans Christian Andersen Awards)」とは、1953年、国際児童図書評議会(International Board on Books for Young People:呼称IBBY)により創設された国際的な賞で、2年に1度子どもの本の世界に影響を与えた児童文学作家1人、絵本画家1人に送られる賞で す。
  1960年の第3回まで賞の対象は「作品」でしたが、1962年の第4回からは児童文学作家、絵本作家の「全業績」に対して送られるように変わり、各国支 部より推薦された候補者の中から国際選考委員の選考によって受賞者が決定します。その選考基準の高さから「小さなノーベル賞」とまで言われ、大変名誉ある 賞となっています。
  この名誉ある賞の受賞者にはIBBY世界大会の授与式にて賞状と有名な童話作家アンデルセンのプロフィールが刻まれたメダルが授与されます。作家賞は 1956年から、画家賞は1966年から授与されていますが、日本人で受賞することが出来たのは画家賞を受賞した赤羽 末吉さん(1980年)、安野 光雅さん(1984年)、作家賞を受賞したまどみちおさん(1994年)そして去年、約20年ぶりに受賞した、上橋菜穂子さん(2014年)の4人しかい ません。
ぜひ、この機会に世界で最高の評価を得た「国際アンデルセン賞」に輝いた作者・画家の作品を読んでみてはいかがでしょう?

<参考文献>
・”日本国際児童図書評議会”, IBBYって何, 入手先, < http://www.jbby.org/ibby/activities02.html>(参照2015-11-02)




     

セルフストレッチをしよう(2015年12月分)

             
12月展示         


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 12月に入り、寒さも厳しくなってきたので、ランニングやウォーキングといった外でするスポーツは段々と敬遠しがちになってきてはいませんか?外に出るのは嫌だ、でも体を動かしたい、と言った時におすすめしたいのが自宅や空き時間に無理なく簡単にできる「ストレッチ」です。
 この「ストレッチ」とは筋肉を伸ばし関節の可動域を広げることが目的の動作で、スポーツのウォーミングアップやクールダウン、肩こり、骨・関節疾患のリハビリテーションなどで広く活用されてはいますが、正しいストレッチのやり方やどのようなストレッチを何分間、何度続ければ効果的に体を鍛えられるのか、体のコリをほぐせるのか解らない人も多いのではないかと思います。
 人間の体の構造はとても複雑なため、間違ったストレッチを続けてもなかなか効果を得ることはできませんし、むしろそのストレッチのやり方が逆効果となってしまうこともあります。例えば前屈をする際、体の力を入れる「支点」をお腹の中心にして前屈を行ったとしましょう。自分では腹筋や背筋が伸びているように感じられるかもしれませんが、お腹の中心の「支点」では腹筋によってただ折り曲げられている状態ですので、背筋や腹筋といった筋肉を十分にほぐすことはできていません。この間違った前屈をしても思うような効果を得られませんし、その後運動やエクササイズをしたとしても筋肉の事前準備が不十分だと筋肉痛にも悩まされてしまいます。
 また、ストレッチをする際は呼吸も大切な要素の一つとなっています。横隔膜を意識した呼吸をしながらストレッチを行うことで血流の改善や代謝を上げる効果も期待できることからダイエットにも効果的ですし、血流の改善によって肩こり、腰痛にも効果があります。
様々な効果が期待できるストレッチ。この機会に正しいストレッチ方法でストレッチを行ってみてはいかがでしょうか?
 
<参考文献>
・ストレッチ専門店スリーエス監修 ストレッチの基本 主婦の友社出版 2014年8月発行


     

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