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 発酵食品を食べよう(2014年1月分)

             
1月の展示         

 

 

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 皆さんは、「発酵食品」といえば何を思い浮かべますか?
少し前に雑誌やテレビでブームになった麹やヨーグルト、チーズといったものを一番に思い浮かべる方も多いかと思いますが、それ以外にも 味噌や醤油、キムチ、漬物、パンや紅茶やウーロン茶、日本酒や泡盛、ワイン、ビールといった飲料も発酵食品と言われているものなのです。 このように挙げてみると普段何気なく食べているものも多く、身近な食べ物と思われる発酵食品ですが、「発酵」について説明しようとすると「菌を食物に繁殖させているだけ」という簡単な説明はできてもより詳しく説明することはなかなか難しいですよね。実は、「発酵」とは簡単に言うと「食品に微生物が繁殖してその成分が人間にとって有用なものに変化すること」なのです。
  では、「発酵食品」とは体にとっていい作用をする食べ物なだけなのか、と思ってしまうかもしれませんが、それだけではなく、でんぷんをぶどう糖に分解して「甘み」をアップさせる「アミラーゼ」、タンパク質をアミノ酸に分解して「旨み」成分を生む「プロアテーゼ」、脂肪を分解して油っぽさや癖をなくす「リパーゼ」といった酵素も発酵食品中に含まれているので、素材の味をさらにおいしくしてくれるという効果があることや雑菌の繁殖を防ぎやすく保存性が高いのも特徴です。そして、保存性が高いことから冷蔵庫が普及していなかった時代にも発酵食品は重宝され、よく使われてきたのではないかと考えられます。こんなに体や食材そのものにいい働きをしてくれる発酵食品、皆さんも食べてその効果を実感してみませんか? 
【参考資料】
・室谷真由美著「簡単!ヘルシー“おいしい”塩麹で始めるキレイ生活」 三笠書房  2012.6  
・発酵食品, 日本大百科全書(ニッポニカ), ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.jkn21.com>, (参照 2014-01-07)
・横溝千野編集・構成「紅茶の基礎知識」 枻出版社 2011.3
 

私たちの生活を支える犬たち (2014年2・3月分)

             
私たちの生活を支える犬たち         

 

 

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 私たちの生活は、古くからたくさんの動物たちによって支えられています。特に犬は、様々な能力を生かして多くの分野で活躍していま す。今の時期に思い起こされる2011年3月に起こった東日本大震災のような災害時や雪山の雪崩現場などで活躍したのが災害救助犬です。人間の4000倍 から6000倍とも言われている鋭い嗅覚を生かし活躍しました。その他にも、警察犬や麻薬探知犬、地雷探知犬、ガス漏れ探知犬、船内探知犬、がん探知犬、 トリュフ犬などが嗅覚を生かして活躍しています。
 また、盲導犬や聴導犬、介助犬は優れた頭脳を生かして身体の不自由な人の生活を支えたり、本来の習性を生かして古くから狩猟犬や牧羊犬としても人と密接に関わってきました。
 最近では、人間に与える癒しの効果が注目され、「アニマルセラピー」としてセラピー犬が医療や福祉、教育現場などを訪れ直接ふれあうことで、心のケアやコミュニケーションなどに関わるなど人の内面も支える存在になっています。
 このように犬は、様々な場面で私たちの生活を支えてくれていますが、ペットやタレント犬としても可愛らしい姿を見せてくれ、日々私たちの心を癒してくれています。
 今回は、私たちの生活に密接に関わっている犬の活躍を知ってもらうとともに、かわいい犬の写真集や絵本なども展示しています。アニマルセラピーというわけではありませんが展示を通して癒しも感じてもらえたらと思います。


【参考文献】
・井上こみち著『動物訓練士になるには(なるにはBooks)』ペリカン社 2001年7月発行
・”使役犬”.情報・知識 imidas,ジャパンナレッジ(オンラインデータベース) http://www.jkn21.com,(参照2014-02-07)

 

 

はじめての大学生活 (2014年4月分)

             
はじめての大学生活         

 

 

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 新年度が始まるこの季節、新入生の皆さんはいよいよ初めての大学生活がはじまりますね。これから始まる大学生活に期待や希望を持つ反面、同じくらい戸惑いや不安もあるのではないかと思います。
 高校教育までは決められた時間割の授業を受けていればよかったのですが、大学教育になると、自分で授業を選択し、単位を計算しながら自分に合った時間割をつくっていかなくてはなりません。
 また、この春から独り暮らしをはじめた人は慣れない大学生活に加え、慣れない料理や洗濯などの家事もあるので大変ですよね。
 しかし、このように不安に思っている大学生活や独り暮らしはコツをつかみ、慣れてしまえば楽しいものになります。慣れるまでが少し大変かもしれませんが、展示してある図書を読み、いろいろとある大学生活のコツや独り暮らしのコツをつかんで大学生活を楽しんで下さいね。
  また、2年生は本格的に就職活動がはじまりますが、何度か就職相談を受けたことがあっても、入室の仕方、面接官とのやりとりなど、筆記試験以外の振る舞い、マナーに関して少し不安を持っている方も多いと思います。 そこで、今、間違って覚えているかもしれないマナーや敬語などをもう一度確認してから、就職活動に挑んでみてはいかがでしょう?

 

お祭りや風習から触れる多民族文化 (2014年5月分)

             
お祭り         

 

 

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 『日本大百科全書』によると「祭り」とは、『「一般に公的でめでたい祝いの宗教的儀式、つまり祝 祭を意味」していますが、広くは宗教的な儀礼すべてをさす』とされています。そのため、日本における七五三などの儀礼も祭りとして含まれます。世界の様々 な祭りや儀礼を少し紹介します。
【祭り】

表1
【儀礼】

 表2
 このように、世界中にはその地域の宗教や民族から生まれた祭りや風習があり、多民族ではなかなか理解出来なくてもその民族にとってはとても重要な意味を持っているものがたくさんあります。
  しかし、現代では生活様式の変化などで伝統的に残っているものも簡素化されたり、儀礼に対する意識が薄れたりしてきています。その反面、インティライミ」 のように宗教や思想に関係なく観光客が祭りに参加したり、日本における「クリスマス」のように意味合いを変えながらも他文化に浸透したりと多文化との交流 が盛んになってきているということもいえるのではないでしょうか。この機会に、多民族の祭りや文化に目を向けて、いろいろなものの考え方を知り広い視野を 持つきっかけにしてみてはどうでしょうか。


【引用・参考文献】
・"祭", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, http://japanknowledge.com,
  (参照 2014-05-09)
・佐々木利和、古原敏弘、児島恭子(2005)『アイヌの道(街道日本史1)』吉川弘文館
・吉田禎吾(1992)『バリ島民―祭りと花のコスモロジー(シリーズ・地球の人びと2)』弘文堂
・陳舜臣、尾崎秀樹(1993)『中国(読んで旅する世界の歴史と文化)』新潮社
・小野澤正喜(1994)『タイ(暮らしがわかるアジア読本)』河出書房新社
・ジョン・ボウカー(2006)『ケンブリッジ世界宗教百科』原書房
・日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, http://japanknowledge.com



 

人を惹きつける言葉・キャッチフレーズ (2014年6月分)

             
6月         

 

 

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 毎月何千、何万冊と出版されている図書ですが、こんなに多く出版されているとどの本を読んでいいか悩むことはないですか?そういうとき、結局本の内容ではなくタイトルや帯に書いてあるキャッチコピーで読む本を決めたりしている人も多いかと思います。
  しかし、我々はなぜこのタイトルやキャッチコピーに惹かれてしまうのでしょう。もちろん興味がある内容だから惹かれるということもあるかもしれませんが、内容に全く興味がなくてもタイトルや説明が奇抜であればあるほど気になり読んでみたくなりませんか?
  そんな人を惹きつける言葉・キャッチフレーズは、どのような計算や効果、表現方法を元に作られていると思いますか?色々とあるであろうテクニックの1つとして「キャッチコピー力の基本」の著者である川上徹也が紹介しているのは「強い言葉を使う」というものです。「強い言葉」というのは「印象に残る」「疑問を持つ」「共感する」など感情を揺さぶる効果がある言葉だそうです。
  例えば図書のタイトルで「7キロ痩せろと言われても」とありますが、このタイトルは著者が言っているのではなく、読者の気持ちを代弁しているように思いませんか?ここに「共感」が生まれ、「どんな内容で痩せたんだろう?」という「興味」を抱かせることによってこの図書を「読ませる」という行為につながります。
  このような表現方法の他にもさまざまな計算、効果があると思われますが、今回、意表を突いたタイトル・キャッチフレーズの本を展示してみました。気になる図書を是非手に取ってみて下さい。

【引用・参考文献】
川上徹也(2010) 『キャッチコピー力の基本』 日本実業出版社
・鳥居志帆(2006) 『7kg痩せろと言われても。』 サンクチュアリ・パブリッシング 
            


 

カロリーって何!? ~カロリーを知って健康的に暮らす~ (2014年7月分)

             
カロリーって何!?         

 

 

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 カロリーとは、物理学や栄養学でいわれる「エネルギー」と本質的に同じもので、エネルギー量を表す単位のことです。1カロリーは14.5度の1gの水を1度、つまり15.5度に上昇させるために必要なエネルギーと定義されており、栄養学におけるカロリーの単位(食品などの表示)は通常「キロカロリー(kcal)」で表示されていますが、単にカロリーと呼ばれていることが多くあります。
 さて、カロリーというと高カロリーは体に悪く、低カロリーのものが良い思われがちですが、先ほど述べたようにカロリーはエネルギー量ですので生活の中で消費されたエネルギー分はしっかり摂取しなければなりません。厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(2010年版)」による1日の推定エネルギー必要量は、18歳~29歳の男性で身体活動レベルがふつうの人は1日に2,650kcal、女性では1,950kcalとなっていますので、この値より多すぎても、少なすぎても健康的な食生活とは言えないのです。
 では、この値を単純に満たしていればよいかというとそう簡単なものではなく、適切なエネルギー量を摂取しながらも、栄養のバランスも満たしていなければならないため、サラダを加えてビタミンを補った方が良いのか、乳製品からカルシウムを摂取した方が良いのかなど栄養のバランスを考えることも重要です。文部科学省の担当分科会から報告されている「日本食品標準成分表」などを参考にすると、卵1個やおせんべい1枚のカロリーや栄養素を知ることが出来ます。
 今回の展示では、このようなカロリーや栄養素について書かれた本を展示していますので、これから夏に向けての健康管理に役立ててもらえたらと思います。また、1日のカロリー量や栄養のバランスが考慮されたレシピ本なども展示していますので、初めから自分で献立や栄養の管理を行うことは難しくてもこれらを参考にして食から健康に気を付けてみてはどうでしょうか。

【参考文献】
・上西一弘著『食品成分最新ガイド栄養素の通になる(第3版)』女子栄養大学出版部 2012.7
・香川芳子監修『使い方からやさしくガイドはじめての食品成分表』女子栄養大学出版部 2012.2

 

 

選書ツアー推薦本展示 (2014年8月分)

             
選書ツアー         

 

 

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 今年度第1回目となる選書を、7月1日・2日の2日間行いました。
例年、学生図書委員で行っていましたが、今回から「選書ツアー」と題して学生図書委員以外の学生のみなさんと職員の方にも参加していただいて選書をしました。
 今回は、この選書ツアーで選書した本の中からいくつかを推薦文とともに展示していますので是非ご覧ください。

  展示で使用していない本は学生図書委員推薦図書コーナーにあります。

 

シェイクスピア生誕450周年 (2014年10月分)

             
選書ツアー         

 

 

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 皆さんはシェイクスピアの作品を読んだ、又は観劇したことがありますか?
シェイクスピアと言えば数多くの戯曲を表したことで知られており、「ロミオとジュリエット」や「ハムレット」「リア王」「ヴェニスの商人」等、作品の名前を聞いたことがある人や「ロミオ、ロミオ、あなたはなぜロミオなの?」「ブルータスお前もか」というセリフを聞いたことがある人はいるかと思いますが、古典作品なので実際に読むのは「難しそう」と思いあえて読んで来なかった人も多いのではないかと思います。
 しかし、「難しそう」と思われているシェイクスピアの作品ですが、実はそんなに難しくはありません。
 河井祥一郎監修の図書「こんなに面白かったシェイクスピア」にも「シェイクスピアは文豪というより役者であって、自分の所属する劇団で演じる芝居を書いていたのですから客にウケなければ商売にならなかった」「読み書きもできない人が大勢いた当時の客に楽しんでもらおうとあの手この手を使って書いた」という記述がある通りなので「難しそう」と構える必要は全くないのです。
  今年2014年は、シェイクスピアの生誕450年というメモリアル・イヤーであり、各地で様々なイベントが行われています。今回は、シェイクスピアの作品だけでなく、シェイクスピアと同時期に活躍した作家の図書やシェイクスピアが活躍した時代背景が書かれた図書を読むことによって英米文学、又は英米文化や観劇に興味を持ってもらえたらと思います。


<引用文献>
・こんなに面白かった「シェイクスピア」 河井祥一郎監修 PHP文庫 2014年3月

 

色の不思議な世界 (2014年11月分)

             
11月展示         

 

 

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 好きな色は何色ですか?人によって好きな色は異なりますが、多くの人に共通する色のイメージがあると思いませんか。
  例えば、赤と青そして「温度」というキーワードがあったら、多くの人が赤に対しては暑く感じ青に対しては寒い印象を受け、同様に「情熱」と「冷静」とキーワードが示されたら赤が「情熱」、青が「冷静」と組み合わせる人が多いのではないでしょうか。
  このような色のイメージは、普段意識することは少なくても看板や商品のパッケージでの企業イメージや購買意欲の向上、カラーセラピーでの心のチェックなど様々な場面で利用されています。
  しかし、色の捉え方は世界共通というわけではありません。虹を思い浮かべてみてください。何色でしょうか。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色と日本では言われていますが、英語文化圏では6色、さらにメキシコのマヤ人では5色あるいは3色だと言われています。
  また、極北の狩猟民であるエスキモーは、日本人が「白」の一言で表す雪の色を数十種類の色に区別しています。これは、見ているものは同じでも各民族の文化や色彩を表現する色彩語彙が違うためこのような違いが生まれます。
  このように、色が持つイメージや他文化での色の表現の仕方などについて考えてみるととても面白いと思いませんか。
  今回は、色のイメージに関する本や日本の伝統的な色について書かれた本、カラーセラピーの本などを展示していますので、 普段意識することの少ない色について考えるきっかけにしてみてはどうでしょう。


【参考文献】
・"色(いろ)", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2014-10-21)
・村山貞也著『人はなぜ色にこだわるか―知っているようで知らない色の色々』KKベストセラーズ 1988.6
・河野万里子著『色づかいで人を見抜くカラー読心術―気になるアノ人のことがスグわかる!』こう書房 2013.1

 

おもてなしって何? (2014年12月分)

             
11月展示         

 

 

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 オリンピックを日本に誘致する際、話題になった言葉で去年の流行語の1つにもなり、世界中からも注目された日本独特の伝統的な文化「おもてなし」自宅に来たお客様を迎えたり、他県や海外から来た観光客をお迎えする際によく使われる言葉ですが、この言葉が本来持っている意味を全て知っている人は少ないのではないかと思います。
  「おもてなし」とはそもそも「もてなす」の名詞形で、「待遇、馳走すること」と言う意味の他に「振る舞い」という意味を持ちます。古語大辞典によると「『もて』という言葉が「持ちて」の原義を失って接頭語化しているが、ある対象に好意を加える意は残している。「なす」は「成る」に対する他動詞で、「成らしめる」意が本来のものであろう。行為の主体と対象との関係によって「もてなす」の語義はすこぶる多様に分かれるが、他動詞性を失った例はない。後世には「待遇する」の用法が強くなり、更に特殊化して「馳走する」「饗応する」の意が主として現代に及んでいる」(原田,1983,p1628)とあるように、「持ちて」「成す」という言葉2つが合わさり、(自身)を持ちて対象(相手)に○○を成すという意味の「もてなす」という言葉が出来たと考えられます。
  このように当初は、自身のみの行動を表す「振る舞い」という意味が強かったものと考えられますが、時代を経るごとに「対象へ好意を加える意」つまり「馳走する」などの相手を思いやる精神が強くなり、現在よく使われている「おもてなし」の意味合いになったのではないかと考えられます。
  また、「馳走する」「饗応する」と聞くと、ただごちそうを用意してお客様を迎えればいいと思っている人も多いかと思いますが、実は迎える側にも様々な決まり、例えば玄関に季節の花を生けることや、お茶の出し方などがあります。
  この機会に家族や友人にされていた「おもてなし」を再認識し、自分から「おもてなし」する場合の作法やマナーについて調べてみてはいかがでしょうか。
 
【引用・参考文献】
・”お・も・て・な・し[新語流行語]”, 情報・知識imidas, ジャパンナレッジ, 入手先(参照 2014-11-20)
・ 中田祝夫, 和田利政, 北原保雄編 (1983)「古語大辞典」小学館出版