2012年の企画展示

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 香りでリラックス-アロマやお香について知ろう-(2012年12月分) 

2012年12月展示 
 


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 皆さんは、「アロマテラピー」という言葉を耳にしたことはありますか?特に女性は、書店や雑貨店でアロマテラピーの専門書やグッズを目にしたことがあるのではないかと思います。
 「アロマテラピー」とは、香りを意味する「アロマ(aroma)」と療法を意味する「テラピー(thrapie)」を掛け合わせた、「芳香療法」を表す造語で、1920年ごろフランスの科学者ルネ・モーリス・ガットフォセが名付けたと言われています。ガットフォセが実験室で火傷した際、ラベンダー油を患部に塗り完治したことがきっかけとなり精油研究がすすめられ、「アロマテラピー」という言葉が世に出るようになったと言われています。
 日本では6世紀ごろに仏教とともに白檀(びゃくだん)・沈香(じんこう)と言った香木や、沈香の樹脂である伽羅(きゃら)が伝わり、寺院で仏に供えるための「供香(そなえこう)」として使われていました。その後、奈良時代後半には宮中や貴族の間で部屋や衣服、頭髪などに香を焚きしめる「空薫物(そらだきもの)」が流行ります。
 室町時代以降には、決まった手順に基づいて沈香を焚き、その違いを嗅ぎ分け当てると言った「香道(こうどう)」と言われる文化も誕生しました。
 このようにアロマの文化と同様、日本でも古くから香りの文化が根付いており、現在も沢山の人によって親しまれています。
 今回は、より身近になったアロマについての図書を展示することで、アロマテラピーや植物の持つ香りの効能について興味を持つきっかけになればと思います。また、平安時代に日本に根付いた香りの文化、「香道」についての図書も展示しますので、「白檀」「沈香」といった香木の魅力にも触れてもらえたらと思います。


  【参考文献】
・小栗左多里,トニー・ラズロ著「めづめづ和文化研究所 京都」情報センター出版局,2008.12
・”エッセンシャル‐オイル【essential oil】”, デジタル大辞泉, ジャパンナレッジ, 入手先<http://www.jkn21.com>, (参照 2012-11-20)
・”アロマ‐オイル【aroma oil】”, デジタル大辞泉, ジャパンナレッジ , 入手先<http://www.jkn21.com>, (参照 2012-11-20)
・『粋 ナビゲーターアロマ空間デザイナー・深津恵さん』読売東京夕刊.2012.6.20,p.3.ヨミダス文書館,https://database.yomiuri.co.jp/rekishikan/

 大人も楽しい絵本の世界(2012年11月分) 

2012年11月展示


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 「絵本」と聞いて、みなさんが思い出すのはどんな絵本ですか?
 多くの人が子どもの頃に読んだ、または読んでもらった本を思い浮かべるのではないでしょうか。
 絵本は、「認識絵本」と呼ばれるものから始まったと言われています。認識絵本とは、言葉と物を結びつける絵本、つまり図鑑など物の名前を覚えたり、確認したりすることを目的とした絵本です。
 そして次に、「物語絵本」が発達しました。物語絵本は、現在絵本の大半を占めているものですが、最初の頃は、昔話など広く知られている物語に挿し絵を加えたものでした。そのため、絵は文を説明したり補ったりする役割でしかありませんでした。
 しかし、その後文と絵が一体になった絵本が登場し始め、現在の主流となっています。これらの絵本はまだ字を読むことの出来ない子どもが絵を眺めるだけでも楽しむことができます。
 そして、さらにエリック・カールの『はらぺこあおむし』にみられるようなページに穴が開いているしかけ絵本や3次元の世界を表現するとびだす絵本など自由な発想の絵本も作られるようになりました。自由な発想で人気の絵本作家というと、10月30日に文化勲章を受章した島根県津和野出身の安野光雅です。デビュー作の『ふしぎなえ』や代表作である『旅の絵本』などは、物語はなく絵だけの絵本です。
 このように様々な発展をしてきた絵本ですが、絵本は子どものものという印象も変わってきていて最近では大人向けの絵本が多く出版され、絵本を楽しむ大人が増えています。大人向け絵本は、子ども向け絵本と違って携帯に便利なサイズであったり、読んだ時に癒しや元気を与えられたりという特長があるようです。
 今回は、みなさんに改めて絵本に触れる機会を持ってもらいたいと思い企画しました。また、絵本作家やその仕事について紹介されている本や画集なども展示しています。読書の秋、この機会に絵本の世界に触れてみてください。


  【参考文献】
・三宅興子編著『日本における子ども絵本成立史』ミネルヴァ書房 1997年3月発行
・吉田新一著『絵本/物語るイラストレーション』日本エディタースクール出版 1999年4月発行
・松岡享子著『えほんのせかいこどものせかい』日本エディタースクール出版 1987年9月発行
・鳥越信編『絵本の歴史をつくった20人』創元社 1993年6月発行

 全国図書館大会-本屋・図書館へ出かけよう-(2012年10月分)

2012年10月展示

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 皆さんは「全国図書館大会」という図書館の研究協議の会が、年に一度開かれていることを知っていますか。「全国図書館大会」(日本図書館協会主催)は、1906(明治39)年に東京帝国大学図書館で第1回目が開かれてから今年で98回目を迎えます。
 第98回となる今年の図書館大会は、37年ぶりに島根県が会場となりました。テーマを「文化を伝え未来を創る図書館 古事記編纂1300年 神々の国しまねから」として、10月25日・26日に松江市で開催されます。26日に開催される分科会の中のひとつである第10分科会では、松江キャンパスが会場となります。
 身近な場所での開催を機に、司書課程をとっている人も、とっていない人も、図書館という「空間」に興味を持ち、そこから図書館を活用するきっかけになるのではないかと思います。
 最近では、図書館という「空間」に興味を持って貰うために、全国の図書館では利用者がより快適に利用できるよう、そしてより多くの人に利用してもらえるよう、建物やサービス面でさまざまな工夫が取り入れられています。
 例として、安来市立図書館では、高さがあまりない書架を配置したり、書架と書架の間を広くしたりすることで、利用者がより快適に図書館で過ごせるよう工夫をしています。その他の特徴として、世界の有名デザイナーが創りだした様々な椅子が館内のいたるところに置いてあり、利用者が自然豊かな環境でゆっくりとくつろいで図書館での時間を過ごせるよう館内が整えられています。
 また、佐賀県の武雄市立図書館では、「Library&Café」をコンセプトとし、来年春から図書館内にコーヒーチェーン「スターバックスコーヒー」が出店することで話題となりました。この他にも、文化センターやコンサートホールなどの複合施設の一部として作られている図書館もあります。国内だけでなく、世界の公共図書館、学校図書館においても、利用者が使いやすいよう様々な工夫がされています。
 今回の展示では、全国図書館大会や、特色のある図書館を紹介している本を展示するとともに、図書館同様、本と触れ合える場所として、特色のある「書店」について紹介されている本も展示したいと思います。
 また、図書館が舞台になった小説も合わせて展示をするので、図書館や本屋を「空間」という視点から、広く興味を持ってもらえるのではないかと思います。


【参考文献】
・『武雄市図書館にスタバ来春コーヒー飲みながら読書』読売新聞西部朝刊.2012.8.15,朝刊[佐賀],p.21. ヨミダス文書館, https://database.yomiuri.co.jp/rekishikan/2009.1

 ムーミンとゆかいな仲間たち(2012年8月分)

2012年8月展示

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 皆さんはムーミンって知っていますか??ムーミンは、フィンランドの作家であるトーベ・ヤンソンが生みだした作品のキャラクターです。1度は目にしたことあるでしょう!白いカバみたいなキャラクター!!あれがムーミンです。
 ムーミンは、トーベが1945年にスウェーデン語で執筆した『小さなトロールと大きな洪水』で初めて登場し、ムーミンシリーズとして世に知れ渡りました。小説は、その後26年間で9作発表され、1954年からはイギリスの新聞『イブニング・ニュース』で漫画『ムーミントロール』の連載が始まりました。新聞の連載によって、子ども向けの児童文学であったムーミンが、大人にも広く知られる存在となり、約60の言語に翻訳されて世界中で親しまれています。
 そもそもムーミンとは、何の生物か知っていますか?カバ?クマ?いえ!実は……動物ではなく、森にすむ妖精のような存在なのです。北欧に伝わる民話に出てくる妖怪が元になっているようです。ムーミンは電話帳くらいの背丈で、友達とムーミン谷を探検することとスナフキンから旅の話を聞くことなどが趣味、夢は冒険家になること。などなどムーミンには、あなたの知らない秘密がいっぱい隠されています。
 また、ムーミンシリーズの人気は、登場人物の見た目のかわいさだけではなく、登場人物が発する言葉の面白さや奥深さにもあると言われています。気の利いた言い回しで単純に笑えるような言葉だけではなく、哲学的な表現で深く考えさせられるような名言がたくさんあります。
 例えば、『ムーミンパパ海へ行く』の「大きな旅立ちというものは、書物の、第1行目の文章のように、重要なものなのだよ。その1行が、この一瞬が、すべてを決定づけるんだ」のように、子どもの頃には難しかった表現も、今この言葉に触れると、この言葉の奥深さが感じられたり、旅立ちの時を書物の1行目に例えた表現の豊かさだったりに気付くことが出来ると思います。このように、子どもの時だけではなく、大人になっても、また違った楽しみ方が出来るところが、ムーミンの人気のひとつなのではないでしょうか。
 今回の展示では、ムーミンの小説だけではなく、心に響くムーミンの言葉を集めた名言集やムーミンの秘密がいっぱい詰まったファンブック、また、ムーミンが生まれた北欧・フィンランドについての本を展示しています。さらに、アニメ版ムーミンのDVDボックスも展示しています。この機会に改めて、ムーミンの言葉の奥深さとともに、ムーミンの魅力を感じてみてはどうでしょうか?


【参考文献】
・冨原眞弓著『ムーミンのふたつの顔』筑摩書房 2011.1
・冨原眞弓著『ムーミンを読む』講談社 2004.4
・『ムーミン公式ファンブック』宝島社 2011.12
・トーベ・ヤンソン文・絵、サミ・マリア編、渡部翠訳『ムーミンパパの名言集』講談社 2010.9
・『楽しいムーミン一家 コンプリートDVD-BOX』ビクターエンタテイメント株式会社 2011.12

 古事記編纂1300年 神話博しまね(2012年7月分)

2012年7月展示

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 今年は古事記が編纂されてから1300年を迎える年となります。古事記の神話の舞台となっている島根県では、「神話博しまね」と題して、7月から11月にかけてメイン会場の出雲大社を中心に様々なイベントが開催されます。
 古事記は712年に天武天皇の命により、稗田阿礼(ひえだのあれ)が『帝紀』・『旧辞』と呼ばれる歴史物語が描かれた書物を読み記憶し、その記憶した内容を太安万侶(おおのやすまろ)が筆録して編纂した書物といわれています。上・中・下巻の全3巻からなり、神話時代に重点を置きながら天皇家の歴史が語られています。上巻は神話時代のエピソードで構成されていて、この世界がどのようにして生まれ、天と地、食物や火などの誕生や神々の冒険譚が記されており、そのおよそ4分の1を島根が舞台とされる出雲神話が占めています。
 例として、火の神を生んだことにより命を落としたイザナミが葬られた比婆山(現・島根県安来市)、オホクニヌシの国譲りの場面では、出雲大社や稲佐浜(いなさのはま:出雲大社の西約1kmの地)が登場します。また、神楽でも認知度が高い、スサノヲのヤマタノヲロチ退治ですが、この討伐されたヤマタノヲロチは島根県の斐伊川の様子がモデルであったと考えられています。
 これらの神話ゆかりの地を訪ね歩くイベントが、7月21日から始まる「神話博しまね」です。主会場の出雲大社周辺を中心に、神楽で有名な石見エリアや、ヲロチ退治の舞台・雲南エリア、縁結びの地として松江エリアなど、それぞれのエリアで神話の魅力に触れる事ができます。期間は11月11日までと長期間に渡るので、古事記を知るきっかけとしてイベントへ足を運んでみても良いのではないでしょうか。
 今回の展示では、古事記や出雲神話について書かれた図書を展示します。また、イベントの主会場である出雲大社と神話との関係が書かれたものや、石見神楽について書かれたものもあわせて展示します。
 今まで難しそうで手が出せなかった人も、この展示やイベントが、古事記に語られている神々の物語に触れるきっかけになればと思います。


【参考文献】
 ・『図説 地図とあらすじでわかる!古事記と日本書紀』坂本勝監修 青春出版社,2009.1
 ・『面白くてよくわかる!古事記』三浦佑之監修 アスペクト,2011.12

 ロンドンオリンピック開催 (2012年6月分)

2012年6月展示

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 2012年は、4年に1度の夏季オリンピック開催の年です。今年の開催地はイギリスのロンドンで、7月27日~8月12日の期間に行われます。ロンドンオリンピックの開幕を前に、開催地のロンドンはもちろんのこと、日本でもオリンピックの出場権をかけた試合などが行われ、徐々に関心が高まってきているように思います。
 オリンピックの起源は、1766年に英国人のリチャード・チャンドラーが発見した、古代ギリシャのオリンピア遺跡だと言われています。このオリンピアは、昔から神聖な地とされていて、供物を奉納したり、神への祝祭をしたりしていました。この祝祭のひとつとして執り行われていた「祭典競技」がオリンピックの起源と言われ、これを「古代オリンピック」と言います。
 そして、現在のオリンピックは「近代オリンピック」と呼ばれています。ピエール・ド・クーベルタン男爵が1896年に「古代オリンピック」を復興させたことが始まりで、ロンドンオリンピックは第30回という記念の大会です。
 また、オリンピックには、クーベルタン男爵が提唱した「オリンピズム」というものがあります。これはオリンピックのあるべき姿を示したもので、「国際交流」や「平和」などの意味が込められています。そして、オリンピックの旗のデザインにもなっている五つの輪は、アフリカ、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの5大陸を表現していて、五輪にもまた、世界平和への願いが込められています。オリンピックは、競技の勝敗を競う印象が強いように思いますが、実は「国際交流」「平和」という大きなテーマを持った大会なのです。
 今回の展示では、このようなオリンピックについて書かれた本や、今年の開催地であるロンドンに関連する本を展示しています。オリンピックの開幕を前に、オリンピックの歴史や開催地のロンドンに目を向けてみてはどうでしょうか。


【参考文献】
 ・結城和香子著(2004.6)『オリンピック物語 古代ギリシャから現代まで』中央公論新社
 ・桜井万里子、橋場弦編(2004.7)『古代オリンピック』岩波書店
 ・ジム・パリー、ヴァシル・ギルギノフ著(2008.4)『オリンピックのすべて』大修館書店

 お茶の時間をもっと楽しく(2012年5月分)

2012年5月展示

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 皆さんはどんな時間にお茶を楽しんでいますか?どんな飲み物が好きですか?例えば、お菓子を食べる時、疲れた時や友達とお喋りを楽しむ時など、日々の生活の中でお茶を飲む機会がたくさんあると思います。そして、最近では様々な種類のお茶が店頭に並ぶようになり、楽しみ方の幅も広がってきています。
 様々な飲み物の中でも、馴染みが深いと思われる緑茶、ウーロン茶、紅茶のお茶の歴史は、実は全て中国から始まっています。中国で生まれたお茶がイギリスへ伝わり、17世紀に輸入が始まります。この時輸入されたお茶のほとんどが緑茶だったそうです。その後、製造方法の開発が進み、ウーロン茶が生まれ、18世紀後半に中国紅茶が生まれました。19世紀になり上流階級の間でアフタヌーンティーというお茶会が始まることで、紅茶文化は最盛期を迎えました。
 上で紹介した3つのお茶は、同じ「カメリア・シネンシス」というツバキ科の植物の葉から作られます。同じ木の葉から作られているのに、色も香りも味も全く異なるのは加工法に違いがあるからです。緑茶は摘んだ葉をもみ、酸化発酵せずに製造し、紅茶は酸化発酵させて製造します。ウーロン茶はこの2つの中間で、酸化発酵の途中で発酵を止める製造方法で作られています。
 それぞれの加工法で作られた茶葉には、下記の表のように栽培された土地の名前がつけられているものが多くあります。コーヒー豆も同じで、生産地の気候によって、色や香り、味の具合が違ってくるので、色々な種類を試して自分好みの茶葉やコーヒー豆を発見してみるのも楽しいと思います。
 今回の展示では、茶葉や豆の種類だけでなく、美味しく淹れる為の道具や淹れ方について書かれた本もありますので、いつもとは違ったお茶の時間を楽しむ参考にしてみてください。


<葉や豆の名前の例>

 紅茶 生産地の地名がつけられることが多い   ダージリン(インド:ダージリン地方)・アッサム
(インド:アッサム州)・ウバ(スリランカ:ウバ州)
 ジャワ(ジャワ島)・雲南紅茶(中国:雲南省)
 日本茶  生産地の地名がつけられることが多い  川根茶(静岡)・伊勢茶(三重県)・宇治茶(京都)
 出雲茶(島根)・ 山口茶(山口県)・八女茶(福岡県)
 沖縄茶(沖縄県)
 コーヒー 生産国の名前がそのままついているものや、
モカ(イエメン)・ブルーマウンテン
(ジャマイカ)のように、港町や山脈の
名前がついているものもある

 グアテマラ・ブラジル・コロンビア
 コスタリカ・ドミニカ・コナ(ハワイ島)
キリマンジャロ(アフリカの名峰)
 マンデリン(スマトラ島のマンデリン族から)

 中国茶  形から名づけられたものや、景勝地から
名づけられたもの、摘む時期や季節から
名づけられたものなど、バリエーションが豊富。
 六安瓜片(瓜類の種に似ているから)
 眉茶(眉に似ているから)西湖龍井(浙江省杭州)
 黄山毛峰(安徽省の奇峰から) 春茶(4月~5月に摘む葉)



 島根県出身者の活躍に触れよう(2012年4月分)

2012年4月展示

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 みなさんは図書館に、『國崎出雲の事情』という漫画があることを知っていますか?
 著者のひらかわあやさんは、島根県の出身で本学の卒業生です。この漫画は、2010年7月から『週刊少年サンデー』に連載されている漫画で、現在少年サンデーコミックスで第8巻まで出版されており、今月の中旬には第9巻が発売予定です。ひらかわさんの作品の関連グッズも発売されるなど、全国的に活躍している漫画家です。
 また、最近特に注目を集めているのが、動画投稿サイトYou Tubeに投稿した動画が話題となり、メジャーデビューを果たしたシンガーソングライターの山根万理奈さんです。山根さんも、島根県の出身で本学の卒業生です。島根県立大学の「広報大使」や島根県広報PR大使の「遣島使」に委嘱されるなど、島根のPRのためにも、これからの活躍が期待されるひとりです。
 このように、現在たくさんの島根県出身者が日本や世界で活躍をし、島根県のPRのために活動しています。
 今回の展示では、島根県出身者のエッセイや作品、最近の新聞記事などを展示して、それぞれの活躍を紹介しています。是非手に取って、色々な分野で活躍する島根県出身者の活躍を感じてみてください。


<他にもたくさんの県内出身者を紹介しています>
 ○里見香奈…女流棋士。6つある女流棋士のタイトルの中で、現在「倉敷藤花」「女流名人」「女流王
       将」の3タイトルを獲得。
 ○錦織圭…プロテニスプレーヤー。「全豪オープン」で日本男子初の4勝をあげる。世界ランクの自己最
      高位は16位。
 ○園山真希絵…タレントで料理研究家。たくさんの著書や雑誌のコラム等で活躍中。現在は、JALの旅の
        提案サイト「JAL旅プラスなび」で「食の多美人(たびびと)」を連載中。
 ○澄川喜一…彫刻家。「東京スカイツリー」のデザイン監修を努める。
 ○田渕久美子…NHKの大河ドラマの「篤姫」や「江―姫たちの戦国」の脚本を担当。
 ○出雲阿国…お笑い芸人でもあり、占術研究家としても活躍中。
 ○FROGMAN(東京都出身。島根県在住)…4月からNHKでも放送されている「秘密結社鷹の爪」の原作
                     者。キャラクターの「吉田君」は「しまねsuper大使」や
                    「神々の国しまね」プロジェクトの宣伝隊長を努めている。  




 写真を撮ろう(2012年2月・3月分)

2012年2月展示

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 デジタルカメラや携帯電話の普及により、今ではとても身近な存在となったカメラや写真ですが、皆さんはそれらの発明がいつ頃誕生したか知っていますか。
 カメラのはじまりの姿は、紀元前に「カメラ・オブスキュラ」と呼ばれていた、壁に小さな穴が開いただけの暗い部屋でした。「カメラ」は「部屋」、「オブスキュラ」は「暗い」という意味です。四角い部屋の壁や窓に小さな穴(ピンホール)があり、この穴から入った光が反対側の壁に届くと、外の景色が上下逆に映し出される仕掛けになっています。
 最初の頃の「カメラ」とは、現代での「道具」としてではなく、一種の「現象」として発見・名付けられたもので、その形は時代が進むにつれ、部屋型のものから持ち運びに便利な折り畳み式や小型のものへと小さく姿を変えていきました。
 そして写真の始まりは、1839年8月19日フランス・パリの科学アカデミーと芸術アカデミーの合同会議で公式に発表されました。当時は銀メッキした銅板にヨウ素で感光性を与え、箱のカメラ・オブスキュラにセットして映し出された風景を写し取る「ダゲレオタイプ」という技法でした。ダゲレオタイプの写真は、光により劣化しやすいものだったので、ガラス版を被せて宝石箱のような小さな蓋付きの箱におさめて保存されていました。(詳しくはこちらPDFを参照してください)
 このように、歴史を遡ると今私たちが使っているカメラからは想像もつかないようなさまざまな発見があります。歴史を知ることで、見慣れているもの、使い慣れているものが新鮮に見えてくるのではないでしょうか。
 今回は、写真・カメラの歴史が分かるものを展示することで、身近な存在であるカメラに関してたくさんの発見をしてもらい、あらためてその魅力に触れるきっかけになればと思い企画しました。
 また、カメラの歴史に関するものとあわせて、日常でカメラをより楽しく活用してもらうために、写真を撮る技術や、加工する工夫が載っている図書、写真集なども展示します。撮る事や創る事、見る事の知識を得る事で、自分らしい写真の楽しみ方を発見してもらえたらと思います。


【参考資料】「写真を愉しむ」飯沢耕太郎著 岩波書店,2007.11・「カメラ・オブスキュラの時代」中川邦昭 筑摩書房,2001.8




 季節の行事について知ろう(2012年1月分)

2012年1月展示

   

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 日本では古くから、季節ごとに様々な行事が行われています。例えば、お正月もそのひとつで、1年の中で最も盛大に行われる行事です。みなさんも初詣に行ったり、お節料理やお雑煮を食べたりしたのではないでしょうか。
 季節の節目や日にちによって、毎年決まった時期に行われる行事のことを「年中行事」と言います。そのため、お正月のように全国的に行われるものだけではなく、郷土のお祭りなども「年中行事」になります。
 今回は、全国的に行われている「五節句」について取り上げたいと思います。「五節句」とは、季節の移り変わりに行われる年中行事で、1月7日の「人日の節句」(七草の節句)、3月3日の「上巳の節句」(桃の節句)、5月5日の「端午の節句」(菖蒲の節句)、7月7日の「七夕の節句」、9月9日の「重陽の節句」(菊の節句)があります。特に、ひな人形を飾ってひな祭りをする「上巳の節句」や、こいのぼりを飾る「端午の節句」は、私たちの生活に馴染みの深い行事だと思います。
 ちなみに、「五節句」という表現は、江戸幕府が節句を行う日を式日に定めたことが起源になっています。しかし、歴史はもっと古く平安時代に遡ります。昔とは名称の変化や、内容に発展があるものの、「供若菜」「上巳祓」「端午節会」「乞巧奠」「重陽節」という平安時代の行事が、現在の「五節句」にあたると言われています。(詳しくはこちらPDFを参照してください)このことから、年中行事が古い歴史を持っていることが分かります。
 今回は、新たな年を迎えた今の時期に、これから1年間に行われる様々な年中行事を知ってもらうことで、季節の変化や季節の行事を意識してもらうきっかけになればと思い企画しました。年中行事の歴史や意味を深く理解したり、今まで知らなかった行事を生活に取り入れたりしてみてはどうでしょうか。
 また、平安時代や江戸時代の年中行事について書かれた本も紹介していますので、昔の文化を知る参考にしてもらえたらと思います。


   【参考文献】『平安時代儀式年中行事事典』阿部猛ほか編 東京堂出版 2003年9月発行
           『親子で楽しむ365日暮らしの行事』早未恵理監修 大泉書店 2008年11月発行
           『年中行事辞典』西角井正慶編 東京堂出版 1958年5月発行