2008年以前の企画展示

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出版目録の魅力(2008年12月分)

2008年12月企画展示  出版目録には、書物の出版記録を収集した文献目録、入手可能図書を収集した情報目録に大別されます。
今回紹介する出版目録は後者である情報目録です。1970年代の好景気により書店は増加しました。
しかし、新刊本の初版部数はほとんど変わらず、書店への配本率が低下し、欲しい本が手に入りにくい状況に陥りました。そこで発行されるようになったのが「これから出る本」などの新刊案内です。これにより読者は書店に本がなくとも新刊案内から情報を入手できるようになりました。
2007年現在、日本全国に4,055社の出版社があるとされています。全ての出版社が出版目録を発行しているかどうかは定かではありませんが、出版社が単独で発行するもの、出版領域が重なる出版社が集まって発行するものなどがあり、中には有料のものもあります。
出版目録の内容は、単に資料のタイトルや著者を列挙したものばかりではなく、小説を連載しているものや対談を載せたもの、古典の絵巻物や図録を見られるようにしたもの、ブックフェアや展示会のために刊行されたものなど、資料としても充分に活用できるものもあります。
  今回の展示では、創意工夫を凝らした出版目録を集めました。興味のある本に出合う、作家の新たな一面を発見するなどの楽しみ方もあるのではないでしょうか?読者と出版社(書店)を結ぶ出版目録の魅力を感じてみませんか。

源氏物語 千年紀(2008年11月分)

2008年11月企画展示 源氏物語は、11世紀初頭、平安時代の半ば、「紫式部」という女性によって書かれました。その内容は、帝の御子でありながら源氏という臣下(ただの人)の身分に落とされ、皇位継承を失った皇子(光源氏)を中心とした物語です。構成は、大きく3部に分かれ、全54帖からなります。
平安時代の写本などはほとんど残っておらず、現在私達が読む源氏物語は、鎌倉時代初期の写本で藤原定家(1162〜1241)の「黄表紙本」と源光行・親行のまとめた「河内本」が元となっています。すなわち、紫式部が書き上げた200年後の写本を読んでいることになるのです。
 明治以後は、与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子、瀬戸内寂聴、田辺聖子など様々な作家に現代語訳され読み継がれてきました。また、世界的な古典としても広く知られ、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語、韓国語など数多くの外国語にも翻訳されました。
 このように多くの人々に愛読されてきたのは、この物語が時代や地域を超えて、人としての生き様や人間関係の有り様、ものごとや人に対する心理という普遍的なものに深く触れているからではないのでしょうか?
 今年2008年は、源氏物語がこの世に出てから1000年を迎えます。1000年もの時を超え、語り継がれ、読み継がれてきた源氏物語。読んだことのある方は今ふたたび、初めての方はこの機会にぜひ、源氏物語を読んでみませんか。

美術館へ行こう!(2008年9月分)

2008年9月企画展示日本全国には約1800館もの美術館・博物館・資料館等があります。美術館は敷居が高いイメージがありますが、最近では金沢21世紀美術館のように設計の段階から『まちに開かれた美術館』をコンセプトにした美術館もあります。また「ベネッセアートサイト直島」(福武書店)、「東郷青児美術館」(損保ジャパン)、「ギャルリー・タイセイ」(大成建設)など企業が運営している美術館・博物館もあります。
 島根県内にも島根県立美術館や島根県立石見美術館(グラントワ)をはじめ、浜田市世界こども美術館、津和野町立安野光雅美術館、田部美術館など個性豊かな美術館がたくさんあります。それらの美術館は企画展を開催するとともに、島根県にゆかりのある芸術家の作品をたくさん収蔵しています。
 今回は島根県内の美術館や島根県にゆかりのある芸術家の画集を中心に集めました。また全国の美術館情報や美術についての知識本も紹介いたします。作品の見方が分からないと思う方も、気負わずに美術鑑賞を楽しんでみませんか。

NO TV DAY - テレビは悪いもの? -(2008年8月分)

2008年8月企画展示 「ノーテレビデー」という言葉を聞いたことはありますか。
元々は福岡県にある特定非営利活動(NPO)法人「子どもとメディア」により子どもの長時間テレビ視聴を問題とし、"テレビを消してみませんか"と始めたのをきっかけに全国へ広まりました。今では日本小児科医会による、子どもの言葉の発達遅れ・コミュニケーション力の低下・生活習慣の乱れなど、問題の検証も始まり、自治体レベルでの取り組みもあるほど浸透しています。
 メディアが与える影響は情報の収集・発信の迅速な便利さがあると同時に、学校裏サイト、視聴率至上主義から起こるやらせ報道などの悪意も存在します。テレビに限らず、ゲーム・パソコン・携帯など日常生活に不可欠なメディアとの関わり方や情報の正誤性を見抜き、活用する力を培うにはどうすればよいか、考えてみませんか。そして自分自身の時間の使い方を見直してみませんか。

島根県を観光する(2008年7月分)

2008年7月企画展示  最近、何かと話題になっている島根県。
 石見銀山の世界遺産登録を始め、島根県を舞台に描かれた漫画「天然コケッコー」「砂時計」「島根の弁護士」「蔵人」が話題になり、「島根の弁護士」「砂時計」はドラマ化され、「天然コケッコー」「砂時計」は、映画にもなりました。
 また、雲南市を舞台にした映画、錦織良成監督の「うん、何?」そして、島根ゆかりの映画「鷹の爪 THE MOVIE 2」も全国で上映され、9月からは、島根県を舞台にしたNHKの連続テレビ小説「だんだん」も放送されます。これらの作品の中を見ると知っているようで知らなかった島根県の魅力を知ることができます。
 みなさんは、「ふるさと案内人」という言葉を聞いたことがありますか?ふるさと案内人とは、島根県内の自然観察、歴史探訪、和菓子作り、郷土芸能鑑賞、マリンスポーツ等それぞれの専門知識や特技を持った方が島根県内を案内してくれたり、体験させてくれるというものです。現在、600名を越える登録があるそうです。より深く島根を知りたい人には打ってつけです。
 今回は、「島根県を観光する」として観光本を中心に展示しています。
これからの季節、外出をするのにいい季節になります。遠くへ足を延ばすのもいいですが、近くの観光スポットや穴場探しに出かけるのも楽しいのではないでしょうか?

環境問題について考える(2008年5月分)

2008年5月企画展示 6月5日は「環境の日」です。これは、1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められました。また、1997年12月に京都で開催された「気候変動枠組条約第3回締結国会議(COP3)」で、二酸化炭素(CO2)など6種類の温室効果ガスについての排出削減義務などを定めた京都議定書採択され、2005年2月16日に発効されました。1990年を基準年として温室効果ガスを先進国全体で5.2%、日本は6%の削減が義務づけられ、国内法も整備されましたが、達成は危ぶまれています。
 身近なところでは、宍道湖・中海が2005年11月8日「ラムサール条約」により、水鳥の成育に必要な湿地と環境の保全を約束しました。生活排水が宍道湖・中海を汚染しないよう、私たちも気をつけなければいけません。
 松江キャンパスでも節電・節水・ごみの分別・再生紙の利用等、環境問題に配慮した活動を行っております。私たち一人ひとりの小さな積み重ねが、環境破壊を防ぐ力となります。家庭でも実践できるアイデアを紹介していますので、環境にもお財布にもやさしい環境保護活動をぜひみなさんも試してみてください。

大学図書館を使おう!(2008年4月分)

2008年4月企画展示 一概に「図書館」と言っても、さまざまな図書館が存在します。例えば、職種や年齢を問わず幅広いサービスを提供する公共図書館、読書や学習の楽しさを体感させ、創造する力を育てる学校図書館、特定分野の資料のみを収集、保存する専門図書館などがあります。
 これから皆さんに利用していただく大学図書館(本学図書館)は教員と学生の学術的な調査・研究を支援する役割を担っています。


大学図書館の主な機能としては、
☆シラバス掲載資料・専門資料の収集や図書館ガイダンス等による授業支援
☆データベース等による文献検索
☆他大学図書館との連携による相互貸借・文献複写の提供や施設利用
☆研究成果を電子化・供用すること等による社会貢献
などがあります。その他にも資料の貸出・予約・レファレンスなどの基本的なサービスや購入希望のリクエスト受付もできます。特に目的がなく来館していただいても良し、のんびり読書・学習できるスペースもあります。
 今回の展示は大学図書館の役割に関する資料を集め、本学図書館の機能を併せて紹介いたします。これを機会に大学図書館を利用してみませんか。

お花見(2008年3月分)

2008年3月企画展示 世の中に絶えて桜のなかりせば
         春のこころはのどけからまし

 在原業平(ありわらのなりひら 825年〜880年)の和歌にもあるように、古来より桜の季節になると、日本人の多くは心弾ませ、春が巡ってきた喜びを感じてきました。
 今回は「お花見」をテーマに、花見の歴史や桜を用いた食文化を中心に紹介いたします。現代のお花見は、とかく賑やかなイベントとなっていますが、かつては桜の開花状況によって農作物の出来を占ったり、農作業が忙しくなる前の農耕儀式であったり、「花の下の連歌」との関連で発達したとする説もあります。
 また、桜を用いた食品といえば、桜餅や桜茶を思い浮かべますが、最近では洋菓子やうどんなど、年々種類が増えています。島根県内でも桜を用いた加工食品や桜の幹を使った食器等を地域の特産品として、道の駅やイベント等で販売している自治体もあります。
 桜には人を集わせる不思議な魅力があります。その一方で、夜桜の妖艶な様を人間と重ね合わせたり、散りゆく花びらに死のイメージ思い浮かべ、様々な死生観や文学にも表されてきました。
このように、桜は私たち日本人の中に深く関わっている植物です。松江市内にも桜の名所がたくさんありますので、みなさんもぜひ出かけてみてください。

2007年 年間ベストセラー(2008年1月分)

2008年1月企画展示 本を選ぶとき、あなたは何を基準に選びますか。
作りたい料理、好きなファッション、作家、研究テーマに関する本、
友人から勧められて選ぶ場合もあるでしょう。しかし、読みたい本がない・・・。
そんな時に参考にしたいテーマのひとつ、ベストセラーになった本はいかかでしょう。
 出版業界は不況の煽りを受け、また出版流通の変化により、新刊発行数が増加しているにもかかわらず
売り上げ数は減少を続けており、厳しい状況だと言えるでしょう。
そのような状況の中で、出版社や作家、書店員の努力もベストセラーを生み出す原動力となっています。
 今回は2007年話題になった本を中心に、出版社が発表したランキング、書店員、
読者が選んだランキング、松江キャンパス図書館の司書が近年発行された中でおもしろかった本を展示します。
2007年という時代が求めた本とは何だったのか、感じてみてください。
そして、きっとまだ読んでない本があるはずです。あなたの1位を見つけてください。

健康管理(2007年11月分)

2007年11月企画展示  寒い季節になりました。この季節になると、気温が下がり体調を崩しやすくなったり、乾燥から風邪をひきやすくなるので健康管理には気をつけなければいけません。風邪予防にうがいをするなどはもちろんのことですが、健康増進には「栄養」「運動」「休養」が大切です。日々の健康管理が大きな病気を予防することにもなるのです。
 戦後、国民の生活環境の改善、医学の進歩によって平均寿命が急速に延びました。その一方で食生活や運動習慣、ストレスなどからくる生活習慣病が社会問題になってきています。
 厚生労働省(前厚生省)では、これまで「第一次国民健康づくり対策」(昭和53年〜)、「第二次国民健康づくり対策(アクティブ80ヘルスプラン)」(昭和63年〜)等さまざまな健康づくりのための施策を展開してきましたが、近年は、生活環境等が変化し、生活習慣に関連する課題が深刻になってきたため、新たに「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」(平成12年〜)が定められました。その施策としてがん・糖尿病・心臓病等の生活習慣病やその原因となる食生活、アルコール、たばこ等の改善に関する課題が9つ選定され、さらに平成15年には、健康増進法が成立しました。
 個々の健康管理が求められる時代になってきました。とは言っても「めんどうくさい」のは避けたいですよね?できるだけ「手軽に」「楽しく」でなければ長続きもしません。今回は、選定された9つの課題に注目し、健康に関する本を中心に展示しています。
 これを機会にできることから始めてみませんか?

伝える手紙を中心に(2007年10月分)

2007年10月企画展示 電話やメールがなかった時代、手紙はなくてはならない伝達手段でした。源氏物語にも、和歌のやりとりで気持ちを伝え合う場面が度々登場します。作家仲間と手紙を通じて作品論議を交わしたり、家族に宛てた愛情あふれる手紙など、電話やメールでは味わえない、心の行き交う様子が感じられます。また、小説の中でも手紙は重要なアイテムとして登場します。
 みなさんもこれから、様々な場面で手紙に接する機会が増えてくると思います。就職の紹介依頼や、内定辞退の際も手紙を書く必要が出てきます。社会に出てからも年賀状・暑中見舞いだけでなく、相手先への依頼状や礼状、お中元やお歳暮に添える手紙、結婚式の案内状など、大切な場面ではメールではなく手紙を用いるのが一般的です。
 今回は、自分の考えを他人に伝える手段として「手紙」を中心に展示いたします。
 昔の人は手紙にどんな思いを託していたのか...。そこから読み取れる筆者の心情・時代背景に思いを馳せてみるのも面白いでしょう。 また、手紙の書き方を紹介した本も展示します。手紙のマナーを知っておけば、いろいろな場面で活用できると思います。
 最近では素敵な便箋・封筒や葉書・一筆箋もたくさん販売されています。季節に合ったものを探す楽しみもありますが、手作りの便箋や封筒で送るのも楽しいでしょう。
 秋の夜長、みなさんも、手紙を書いてみませんか?

妖怪(ようかい)(2007年7月分)

2007年7月企画展示 みなさんは、「妖怪」と言うとどんなものを想像しますか?おそらく本やテレビで見たり、聞いたりした様々な妖怪の姿が頭に浮かんでくるだろうと思います。そもそも妖怪とは一体何なのでしょうか。「日本大百科全書(小学館発行)」によると、妖怪=【化物、変化のことで、「物の怪」など人間の理解を超えた怪異現象をもいう。妖怪の多くは、まじめな信仰の対象であった神霊が零落して、その畏怖の念だけが残ったものといわれている】とあります。
 そして、いわゆる幽霊と呼ばれるものなどと違う点は、妖怪は、相手を選ばず多数の人に向かって存在を示す点です。さらに、出現の時と場所がおおむね決まっていて、出現は、昼夜の境目、いわゆるたそがれ時、逢魔が時といわれる薄暮の時刻とされています。また妖怪の多くは、出現する場所によって類別ができます。例えば以下ようにできます。
・道の怪...入道坊主、野襖(ノブスマ)、野槌(ノヅチ)など  ・水の怪...河童、川天狗など    
・音の怪...天狗倒し、空木返し、小豆とぎなど  ・木の怪...木心坊(モクシンボウ)、木像など
・動物の怪...猫又、古狸、白狐など
 この他にもまだまだ様々な種類の妖怪がいますし、地方によって種類も呼称も違います。
 妖怪は、古代から現代に至るまで時代と共に様々な形で人々の生活の中から生み出されてきました。そして、文学や芸術、娯楽の分野で作品の題材としても多く扱われてきました。ご存知の通り、山陰に縁のある水木しげるや小泉八雲の作品もその一つです。
 今回は、妖怪の歴史や物語、小説、絵本、映画、事典まで様々なジャンルから描かれた妖怪の本を紹介します。夏の風物詩でもある妖怪・怪談にこの夏は、浸ってみませんか。

家族をみつめる(2007年5月分)

2007年5月企画展示近年、児童虐待や、子が親を殺害するなど、痛ましい事件が相次いでいます。
かつての日本では考えられなかったような事件が、何故現代では起こるのでしょうか。
時代や生活環境によって、家族の在り方も大きく変化しました。しかしながら家族とは、私たちにとってかけがえのない存在のはずです。
今回は家族をテーマに、家族をとりまく背景から小説に描かれた家族まで、様々な「家族」を紹介いたします。
5月13日は母の日、6月17日は父の日です。これまでみなさんを育んできた家族を見つめ直し、また「家族とは何か」を考えるきっかけになればと思います。

住居−人々の暮しと歴史−(2007年4月分)

2007年4月企画展示人が生きていく上で"住居"は欠かせないものです。そのことは、昔から変わることはありません。
 しかし、住居は時代、風土によって様々に変化し、また、人々の暮しの変化と共に住居の役割も変化しています。家で行われてきた出産、お祝い事、祭り事の行事などが行われなくなったり、家族を中心に考えられていた空間が、それぞれがいかに快適に過ごせるかを考えられた空間に変わったりと時代と共に変化していきました。
 そして、住居の機能性はもちろんのことデザインが重視されはじめ、建築デザインとしても注目されはじめました。その一方で「古民家再生」などと言われ、昔の住居やその住居に使われていた木材にも注目が集まっています。
 住居を知るということは、人々がどんな暮しをしてきたのかを知ることでもあり文化を知ることでもあります。竪穴式住居から今までどんな風に変わってきたのでしょうか。生活環境も食も家族関係も関係も変わってきました。
 今回は、住居をテーマに展示をしました。現在の建築デザインでなく、昔からの伝統的な建築様式などにも目を向けてみてはどうでしょう。住居の移り変わりを見ていくことによって人々の暮しの移り変わりや歴史などが見えてくるのではないでしょうか。

出雲神話(2006年12月分)

2006年12月企画展示出雲といえば、出雲大社、出雲神話といった神々の世界を思い浮かべるかもしれません。神話とは自然や人間社会で起きた出来事を、神が行ったことがらとして伝えたものです。出雲地方を舞台にする神話は「古事記」「日本書紀」「出雲国風土記」に書かれています。
 「古事記」は712年、「日本書紀」は720年に完成した歴史書です。とくに「古事記」では、出雲を舞台にした神話が約三分の一を占めています。出雲が登場するのは両書とも須佐之男命が高天原から追放され出雲に降り立ったところから始まり、大国主命の国譲りで終わります。「出雲国風土記」は、出雲地域の産物、山川などの地名の由来、古くから伝わる伝承などを中心にした地方誌です。四つの地域から土地を引いてきて出雲の国を補ったという「国引き神話」は「出雲国風土記」だけにみられる壮大な国土創造の神話です。
 古代出雲は出雲神話からだけでなく、全国の神社台帳である「延喜式」(927年)に載せられた祭神数が187あり、全国第三位とかなり密集して神が祀られた地域ということがうかがえます。神々の繁栄する地と呼ばれる一方で、「古事記」「日本書紀」に記されている神話や古代天皇の話は、事実を記したものではなく政治的意図により作り上げられたものであり、虚構であるという説もありました。しかし続々と発見された荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡などにより考古学的にも古代出雲の繁栄が実証されたともいわれています。
 今回の展示では神話と古代出雲に関する本を紹介します。また、実際に出雲神話に登場する神々を祀った神社を訪れると神話の雰囲気に浸ることができるかもしれません。