バックナンバー 第1回~第10回

第1回 学生アルバイトおすすめ本 

オススメ本 
  図書館 学生アルバイト 天川 怜美
  私のオススメ
   『六番目の小夜子
』   
   恩田陸 著
   新潮社出版 2001年2月
 
  『六番目の小夜子』は『夜のピクニック』などでよく知られる恩田陸さんの処女作です。私は、この作品を幼いころNHKドラマで知りました。高校生の頃、原作が気になり調べたところ私の好きな作家である恩田陸さんの処女作であると知りとても驚くと同時に読んでいくうちに物語のおもしろさに惹きこまれていきま した。
 あらすじとしては、主人公の玲が通う学校には「サヨコ」という言い伝えがあり3年に1度「サヨコ」と呼ばれる生徒が現れます。「サヨコ」 に選ばれた者には鍵が送られ、「サヨコ」になった者は3つの言い伝えを実行し、「サヨコ」であることは隠さなければなりません。この「サヨコ」を明らかに するために玲はこの「サヨコ」になろうとします。しかし、玲以外にもう1人「サヨコ」が現れてしまい・・・。
  様々な展開にドキドキワクワクさせられる本です。とてもおもしろいので、是非読んでいただきたい一冊です。

 

第2回 学生アルバイトおすすめ本 

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 新田 朱音
   私のオススメ
   『RDG-レッドデータガール』シリーズ

   荻原 規子 著
   角川書店出版 2008年7月
 
 私はこの『RDG-レッドデータガール』シリーズを読んだのがきっかけで、荻原規子さんの他の作品も読むようになりました。以下がこの図書のあらすじです。 
  玉倉山にある玉倉神社に住む主人公の内気な女の子鈴原泉水子は、中学までは学校と家を往復するだけの生活を送っていた。そんな泉水子には電気機器を壊して しまうという特異体質をもっていた。玉倉山で平和に暮らしていた泉水子のもとに、ある日突然、幼馴染で山伏の家系である相楽深行があらわれ一緒に暮らすこ とになる。そんな中、泉水子は自分の中に秘められている姫神の存在に気づき始める。
  高校進学は周りに勝手に決められ、幼馴染の相良深行とともに東京の鳳城学園に進学することになる。新たな仲間と出会って泉水子の世界は大きく変わっていく。 
 1から6巻までありますがとても楽しい作品なのでぜひ読んでいただければと思います。この物語中での泉水子と深行の関係の変化にも注目してみて下さい。

 

第3回 学生アルバイトおすすめ本 

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 松崎 慎
   私のオススメ
   『家守綺譚

   梨木 香歩 著
   新潮社出版 2004年1月
 
 私は高校生の時にこの本を初めて読みました。おもしろかったので熱心に読んだのを覚えています。大学の授業でこの本を取り扱う機会があり久しぶりに読んでみましたが、大学生になった今でも十分楽しめる作品でした。
  以下あらすじです。 
  物書きである綿貫征四郎が、高校の時分に亡くなった親友の高堂の家に家守として住まわせてもらっている。ある雨の日床の間の掛け軸の中から亡くなったはず の高堂がやって来た。《―――どうした高堂。私は思わず声をかけた。―――逝ってしまったのではなかったのか。―――なに、雨に紛れて漕いできたのだ。》 たまに来る高堂や庭の植物たちとのさまざまな出来事が綴ってあります。
  短編集のような形になっているので、休憩をはさみつつでも読みやすい作品だと思います。ぜひ読んでみてください。

第4回 学生アルバイトおすすめ本

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 香川 詩保里
   私のオススメ 
   『GOTH リストカット事件』

   乙一 著
   角川書店出版 2002年2月
  
 人間を処刑する道具や拷問方法に興味を示し、殺人者の心に惹かれ、人間の暗黒部分に興味を抱くもの。高校生の主人公「僕」とクラスメイトの森野夜は、そういったいわゆる「GOTH」な人間です。「僕」と森野は狂気的な殺人事件などの情報交換を行う仲ですが、友達というような関係ではありません。
 「僕」は、森野以外のクラスメイトと話している際は、明るく気のきいた「普通の高校生」を演じており、森野と話すときだけGOTHの一面を見せます。一方で森野は、綺麗な顔立ち長い黒髪を垂らし、常に黒い服しか着ないという外見で、ほとんど人と会話しない、光を嫌い闇に溶けこもうとするかのような人物です。そんな二人が、偶然にも異常な殺人事件に関わっていくというストーリです。 
 「僕」と森野、二人の似ているようで異なった性格・内面の違いに注目してみても面白いですが、他にも注目すると面白いのが、視点の変化です。基本は「僕」の視点ですが、犯人の視点から見た殺人事件の描写があり、犯人がそのグロテスクな犯行に及んだいきさつや、どんな「異常者」なのかが分かるようになっています。私は中学生の時にこの作品を初めて読んだのですが、独特な世界観と、乙一さんのミステリー的な手法が衝撃的だったことが今でも印象に残っています。この作品はⅠ~Ⅵの章に分かれていますが、どれも結末が予測不可能で、夢中で読み進めたのを覚えています。

ここではあえて本の内容については抽象的に書きました。これを読んだ皆さんがぜひこの本を実際に読み、1つ1つの事件の衝撃の結末に驚き、この本の魅力を知って頂ければと願っています。 

 

第5回 学生アルバイトおすすめ本 

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 進 さくら
   私のオススメ
   『
ねえ、委員長
   市川 拓司 著
   幻冬舎出版 2012年3月
 
 「はじめて、僕が本気で恋をした君へ。書けなかったラブレターのかわりに贈るもの。」私が紹介する本は、市川拓司さんの「ねえ、委員長」です。
 この本は3つの短編が収録されています。『Your Song』は誰にも群れずに一人で長距離走の練習に励む女の子が歌が抜群に上手ないじめられっ子祐希君を好きになってしまう話。『泥棒の娘』は黒板に印象 的な絵を描いた風変わりな同級生にひそかに手紙を送った男の子の話。『ねえ、委員長』はどうしようもない落ちこぼれの転校生に小説家としての才能を見出し てしまった優等生な女の子の話です。
  どの話も付き合ったりはしませんが、ザ・青春!とゆう感じです。青春時代を思い出しながら読んでみてください。

 

第6回 学生アルバイトおすすめ本 

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 堀江 彩希
   私のオススメ
   『
暗いところで待ち合わせ
   乙一 著
   幻冬舎出版 2002年4月
 
 この本は簡単にいうと、「警察に追われている男性が目の見えない女性の家に黙って勝手に隠れ潜んでしまう」という内容です。
 私はこの本の作者の乙一さんが好きで彼の本を何冊か読んだことがあるのですが、この本はまだ読んだ事がなかったので借りてきて読んでみることにしまし た。読み終わった後、怖いような悲しいような何だか不思議な気持ちになり、けれども本に出てくる男性と女性のやり取りに少しほっこりした気持ちになりま す。
  あらすじは視力をなくし一人静かに暮らす女性のもとへ無実の罪を着せられた男性が逃げ込んできます。しかし女性は目が見えないので人の気配を感じるも身を 守るため知らないふりをします。それから二人の奇妙な共同生活が始まります。とても不思議な内容ですが、乙一が好きな方もそうでない方もぜひ一度手にとっ てみてください。

 

第7回 学生アルバイトおすすめ本  

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 天川 怜美
   私のオススメ
   『何者』

   朝井 リョウ 著
   新潮社出版 2012年11月
 
  この本は、「就活」をテーマにしています。大学生の拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良の5人が経験する様々な就活が描かれています。就活の情報交換で知り 合った5人は、就活や大学生活の中でそれぞれの転機を向かえます。就活のリアルさがにじみ出ており、今就活している人にもおすすめです。
また、もう就活が終わった人でもこんな就活が今の世の中では起こってしまうのかもしれないと驚くこと必須な内容となっています。
  この『何者』の中で重要なカギを握っているのは、TwitterなどのSNS。SNSがどのように5人の主人公たちに影響を与えていくのかも見どころです。就活の意味や、これからの社会をどう生き抜いていけばよいのかのヒントも見つかるかもしれません。
 自分はいったい「何者」なのかを考えさせられる本です。

 

第8回 学生アルバイトおすすめ本 

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 新田 朱音
   私のオススメ
   『精霊の守り人

   上橋 菜穂子 著
   新潮社出版 2007年4月
 
 新ヨゴ皇国の第二皇子であるチャグムは、ニュンガ・ロ・イム〈水の守り手〉の卵をうみつけられた、ニュンガ・ロ・チャガ〈精霊の守人〉であった。この為、不審な行動がたびたびあったのを父である帝に知られ、帝の命によって命を狙われたチャグムだったが、『短槍使いのバルサと呼ばれる』女性に救われた。時を追うごとに水の守り手の正体が明らかとなり、チャグムが救われる方法はこの卵が孵化するまで、守りとおすということだった。この出会いから二人の旅は始まり、様々な人に助けられ、多くの苦難を乗り越えた先に待っていた結末とは…。
 この作品は精霊の守人シリーズの一作目です。読む人を瞬時に物語の世界へと引きつけるような優れた作品です。作者である上橋菜穂子さんが描くとても素晴らしいファンタジーの世界をぜひ体感してみてほしいです。

 

第9回 学生アルバイトおすすめ本 

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 松崎 慎
   私のオススメ
   『化物語』

   西尾 維新 著
   講談社出版 2006年
 
 この本はアニメ化もされた〈物語シリーズ〉の最初の巻です。高校3年生の阿良々木暦が遭遇する怪異が描かれています。
 「阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった。」
西尾維新先生の作品はいくつか読んでいますが、その中でもこの〈物語シリーズ〉はお気に入りです。シリーズの既刊は18巻出ています。一巻につき何話か収 録されていて、話ごとに怪異、登場ヒロインがことなります。ヒロイン一人一人が問題を抱えており、怪異に遭っていて、それに対して主人公の阿良々木暦が相 対していきます。そして暦自身もまた怪異に遭っていて、その話は『傷物語』に収録されています。
  是非シリーズ全体を読んでみて楽しんでください。

第10回 学生アルバイトおすすめ本

オススメ本 
   図書館 学生アルバイト 香川 詩保里
   私のオススメ
   『植物図鑑』

   有川 浩 著
   角川書店出版 2009年
 
 植物が芽吹き、花を咲かせる季節になりました。今回ご紹介する『植物図鑑』は、そんな季節にぴったりの本です。
 主人公のさやかは、自分のマンション近くの植込みに行き倒れていた男・いつきを拾います。一人暮らしだけど料理をほとんどしないさやかに対し、いつきは料理が上手、かつ長身でけっこういい男。「もし、行くさきないんなら――ここにいない?」こうしてさやかといつきの共同生活が始まります。
 この物語の各章には植物の名前がつけられ、さやかがいつきに誘われて散歩に出かけ、さまざまな植物を知っていきます。フキノトウやタンポポなど春の植物が登場するので、自然や草花が好きな方におすすめです。また、フキノトウやユキノシタなど、野の草花を使っていつきが作る料理は必見です。
いつきの素性に関してさやかが知っているのは名前だけ。それでも、一緒に生活するにつれて次第にさやかはいつきに恋心を抱くようになります。ふたりの関係にも目が離せません。
 興味を持った方は、ぜひ手に取ってみてください。