2018年の展示

2018年の展示

バックナンバー

2018年1月分
2018年4月分
2018年5月分
2018年6月分
2018年7月分
2018年8月分
2018年10月分
2018年11月分
2018年12月分

この2人の小説家の名前、分かりますか?「国木田〇〇」「菊池〇」(2018年1月分)

             
あなたも明日から名探偵?         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。



 



  正解は、「国木田独歩(くにきだどっぽ)」と「菊池寛(きくちかん)」です。
 この2人は、共に明治時代に誕生した小説家で、2018年に独歩は没後110年、菊池は没後70年の節目を迎えます。

【国木田独歩】
 独歩は、虚構や想像力ではなく、実生活や自己の内面を素直に表現する「自然主義」文学の先駆けとして高い評価を受けた人物です。代表作の『武蔵野』は、当時の国語の教科書の定番となっていました。また、小説家のほかに編集者としても活躍し、日本初といえる本格的グラフ誌を創刊。このほか独歩が関わった雑誌『婦人画報』は現在でも発行が続いています。

【菊池寛】
 菊池寛は、『藤十郎の恋』などの代表作を持つとともに、小説『父帰る』が舞台化され好評を博したことがきっかけで劇作家としても活躍した人物です。また、文藝春秋社を設立し、雑誌「文藝春秋」を創刊。友人の名をつけた「芥川龍之介賞」と「直木三十五賞」の文学賞も発案し、文芸の普及に尽力しました。このほか、「大日本映画製作株式会社(略:大映)」の初代社長も務めています。

 このように、多方面で活躍した2人の功績は、今でも私たちの生活に影響を与え続けてくれています。
今回の展示では、作品だけではなく、2人の素顔が分かる本も展示していますので、是非手にしてみてください。

【参考文献】
・黒岩比佐子著『編集者国木田独歩の時代』 角川学芸出版 2007年12月発行
・"菊池寛", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2018-01-18)

4月10日は何の日?(2018年4月分)

             
4月10日は何の日?         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。



 



  みなさん、4月10日は何の日か知っていますか?この日は、単なる語呂合わせや歴史的な出来事によるものまで様々な記念日が制定されています。
  そこで、今回の展示では4月10日が記念日となっている事柄について展示します。気になる記念日の本を是非手に取ってみてください。

<インテリアを考える日> 日本インテリアファブリックス協会が制定。
  由来は、新入学や新生活などで生活環境が変わる4月をきっかけに生活空間に目を向けてもらうためで、10日の「十」と「住(じゅう)」の語呂合わせでこの日となりました。新生活が始まった人、気分を変えてみたい人、この日をきっかけにインテリアを見直したり、思い切って変えてみてはどうですか?

<駅弁の日> 社団法人日本鉄道構内営業中央会が1993年に制定。
  由来は、「弁」が「4」と「十」の組み合わせに見え、「当」が10日の「とう」であること、また4月が行楽シーズンで駅弁の購入が増えることなどが理由とされています。コンビニなどではなく、たまには駅弁でその土地ならではの料理を味わうとともに、普段と違う気分も一緒に味わってみませんか?

<教科書の日> 一般社団法人教科書協会などが中心となって2010年に制定。
  4月は新学年・新学期の始まりということで新しい教科書を手にする時期です。教科書を使う児童・生徒が大切に利用するとともに、教科書関係の仕事をしている人が意識を高めるために、「良い図書」との語呂合わせで決まりました。学ぶことについても考えさせられる日ではないでしょうか。

<女性の日/婦人の日> 
 昭和21(1946)年4月10日、日本で初めて女性が参政権を行使したことを記念し、昭和24年に「婦人の日」と制定。
  この日に行われた選挙では、39人の女性が当選しました。平成10年には「女性の日」と名称が変更されました。昨年、選挙権が18歳に引き下げられ、若い人にもより選挙が身近になりました。女性の権利や参政権などについて広く考える機会にしてみてはどうでしょうか。

<四万十の日>四万十の日実行委員会が平成元年に制定。
  由来はそのまま、4と10の語呂合わせで、四万十市観光協会などの所属団体による「四万十の日実行委員会」が決定しました。日本最後の清流と言われる「四万十川」の美しさを守り、伝えていくため、環境学習や清掃活動などの取り組みがされています。

【参考文献】
加藤廸男編『記念日・祝日の事典』 東京堂出版 2006年4月発行


 今のあなたの気分は?~気分によって本を選ぶ~ (2018年5月分)

             
今のあなたの気分は?         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。



 



  今回の展示は、学生図書委員会との合同の企画です。
  みなさんは普段本を選ぶ時、どのようなことを基準にして本を選んでいますか?タイトルや表紙から内容をイメージしたり、帯の紹介文やあとがきを読んで選ぶなど様々な基準があると思います。
 そこで、今回は「気分」をテーマに本を読んでもらえたらと思い企画しました。今の自分の気分でも良いですし、読んだ時に自分が感じたい気分でも良いと思います。どんな本を選んだら良いか迷ってしまう人にもオススメです。読み終えた後、展示されていたテーマと同じ気分になったり、違った気分になる場合もあるかもしれません。そのような違いも楽しみながら読んでみてください。

【展示テーマ】
〇さわやか…スポーツ系のさわやかな気分を味わえる作品を集めました
〇胸キュン…説明の必要なし。キュンキュンしたい人はぜひ!
〇ざわざわ…平穏な毎日にスパイスを。
〇笑…笑顔ではなく、大爆笑がテーマ。
〇切ない…泣きたい気分の時にぴったりかもしれません。
〇ほっこり…とにかく癒される。
〇恐怖…勇気を持って読んでみよう。
〇きっちり…マジメに頑張る作品を読んで、やる気アップ大作戦!
〇わくわく…ファンタジー好き向け。

 雨の「こんな顔」知っていますか? (2018年6月分)

   

雨の「こんな顔」知っていますか?         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。



 



  春があっという間に過ぎ去り、もうすぐ梅雨がやって来ますね。皆さんは、雨に様々な呼び名があることをご存知でしょうか? 例えば「卯の花腐(はなくたし)」(陰暦の4月下旬頃に咲く卯の花が腐ってしまう程に降り続く長雨)、「五月雨」(陰暦の5月頃に降り続く長雨)、「新雨」(初夏に降る雨)、「酒涙雨(さいるいう)」(七夕に降る雨)、「神立(かんだち)」(にわか雨、雷雨)等があります。中でも「五月雨」は、松尾芭蕉の有名な俳句「五月雨をあつめて早し最上川」で見覚えがあるという人がいるかもしれませんね。これらの表現を普段の生活の中で使うことは殆どありませんが、俳句や小説の中で使われる等、連綿と受け継がれてきました。
 また、もう一つ雨の話題としてご紹介したいのが、松江市で展開されている「縁雫(えにしずく)」という観光企画です。この企画は、八重垣神社等の縁起が良い観光地が数多く存在している松江市に降る雨を「縁雫(えにしずく)」と名付け、この雨が松江を訪れる人に良縁を運んでくるというコンセプトで、市内に点在する縁結びスポットの周遊を促すというものです。
 今回は、梅雨の時期ということで「雨」に焦点を当てて、雨を題材にした俳句や小説、雨から連想する言葉に関する本を中心に展示しています。雨にまつわる様々な本を通して、雨の色んな表情を味わってもらえたらと思います。

【参考文献】 ・鈴木心写真『てんきごじてん:風・雲・雨・空・雪の日本語』ピエ・ブックス 2009年5月発行
・大岡信監修『短歌俳句自然表現辞典 : 歳時記版』遊子館 2002年5月発行
・一般社団法人松江観光協会. “縁雫って何?”https://www.kankou-matsue.jp/enishizuku/about.html(参照2018-5-31)
           


 夏を乗り切ろう!ホラー特集~学生図書委員展示~ (2018年7月分)

             
夏を乗り切ろう!ホラー特集         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。

  

  
 

  


  “夏”そして“ホラー”とくればもちろん、ホラー作品に触れて涼しさ感じてもらいたい!ということで、今回は学生図書委員会が企画しました。“ホラー”と一言で言っても様々なタイプの怖さがある作品を集めてみました。
  まず、松江で“ホラー”と言えばこの作品は外すことが出来ないと思います。小泉八雲(イギリス名:ラフカディオ=ハーン)の『怪談』。1904年に刊行され、「耳なし芳一の話」や「雪女」などが収録された短編小説集で、怪談話が苦手な人でも1つくらいは知っている、聞いたことがあるという有名な作品ではないでしょうか。古くから日本に伝わる物語で、この夏をひんやりと過ごしてみてください。
 続いては、妖怪に関する本です。「妖怪」について日本大百科全書にはこのように書かれています。
  化物(ばけもの)、変化(へんげ)のことで、「物の怪(け)」など人の理解を超えた怪異現象をもいう。
  妖怪の多くは、まじめな信仰の対象であった神霊が零落して、その畏怖(いふ)の念だけが残ったものといわれて
  いる。妖怪の特徴は、出現の時と場所がおおむね決まっていることである。出現は、昼夜の境目、いわゆるたそがれ
  (誰そ彼)時、逢魔(おうま)が時といわれる薄暮の時刻とされる。
 まじめな信仰の対象であったと聞くと、妖怪はそんなに怖くないものかもと思えてきそうですが、しかし、出現の時と場所が決まっているというのはどうなのでしょうか。妖怪が出現するその時、その場所にいたとしたら…
 最後に、もしかするとこれが1番怖いかもしれない!人の怖さについて書かれた作品です。妖怪や幽霊などは信じないという人もこのタイプの作品からは怖さを感じずにはいられないのではないでしょうか。人の心の黒い部分に触れて、背筋が凍るようなぞっとする気持ちになってみませんか?


【引用・参考文献】
・"妖怪", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-07-15)
・"怪談", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-07-15)

           

          

 島村抱月の出身地はどこ?~没後100年展示~ (2018年8月分)

             
島村抱月         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。

  

  
 

  


 島村抱月は、島根県那賀郡小国村、現在の浜田市金城町出身の偉人で、今年は没後100年になります。抱月は、評論家、小説家、演出家など様々な顔を持っていますが、なかでも大きな功績は新劇運動家としての活躍です。
 新劇とは、ヨーロッパで19世紀末に起こった個人主義や自然主義の立場から人生や社会問題などを扱うリアリズムを表現する近代劇のことです。その理念や方法を日本にも取り入れ近代的な演劇を確立しようと抱月のほかに坪内逍遥や小山内薫などによって起こった改革が新劇運動です。
 抱月は、1906年に逍遥とともに「文芸協会」を立ち上げ、新劇運動の拠点として活動を始めていきました。しかし、妻子ある抱月と文芸協会に所属していた女優の松井須磨子との恋愛問題が発覚し、1913年に文芸協会が解散。その後、2人が中心となって劇団「芸術座」を創立し、トルストイの『復活』を上演すると劇中歌の「カチューシャの唄」とともに大ヒットし、新劇の発展に貢献していきました。
 しかし、抱月は志半ばで病にかかり1918年11月5日に48歳の若さで急逝。また、女優として人気のあった須磨子ですが、翌年1月に抱月の後を追って亡くなりました。
 そんな抱月の出身地浜田市金城町には、「島村抱月文学散歩コース」が設けられ、抱月の胸像や業績、芸術に対する思いなどが刻まれた看板や碑が建てられています。夏休みに入りますので、郷土の偉人の出身地を訪れて、功績に触れる旅をしてみても良いのではないでしょうか。


【参考文献】
・大笹吉雄著『日本現代演劇史 明治・大正篇』白水社 1985年発行
・新村出編『広辞苑 第7版』岩波書店 2018年発行
・浜田市.“島村抱月文学散歩コース” http://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1392857094829/index.html(参照2018-7-26)


           

 大名茶人「不昧公」ってどんな人? (2018年10月分)

             
不昧公         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。

  

  
 

  


 今年は、松江藩7代藩主・松平治郷(不昧公)の没後200年目に当たります。
皆さんは、不昧公がどんな人物かご存知ですか?不昧公は、江戸時代後期、当時かなり困窮していた藩の財政の立て直しに尽力した一方で、茶道に力を注いだ「茶人」として知られています。彼は、18歳の時に学び始めた石州流の茶道を基本としながら、参勤交代の折等に他流派にも触れ、やがて独自の「不昧流」を確立しました。
 茶人としての不昧公の面影は、様々な形で今に残っています。例えば、私たちの身近な所では、不昧公が好んだ「不昧好み」と呼ばれるお茶菓子の数々や、松江松平家の御用達として不昧公の時代に発展した楽山(らくざん)焼や布志名(ふじな)焼といった「出雲焼」と呼ばれる茶陶たちが、その代表例です。
 またこの他にも不昧公は、藩の財政の回復後、貴重な茶道具の蒐集・研究に尽力したことでも知られています。集めた約千点もの名器を種類ごとに細かく分類し、所蔵者や寸法と共にまとめた『古今名物類聚』や、自らの茶道論を示した著書『贅言(むだごと)』は、後世に伝わる貴重な資料となっています。
 不昧公の没後200年という節目の年に合わせて、不昧公ゆかりの茶道具等の展示や、茶会等の様々なイベントが松江市を中心に企画・開催されています。この機会に、不昧公が残した松江のお茶文化に親しんでみてはどうでしょうか。


【参考文献】
・『茶陶と民芸出雲の窯 : 巻頭特集』島根県広聴広報課 2015年12月発行
・甲斐みのり著『お菓子の旅 : 春夏秋冬』主婦の友社 2010年4月発行
・内藤正中,島田成矩著『松平不昧』(増補版)松江今井書店 1998年3月発行
・島根県物産協会企画『島根のやきもの : 窯元めぐり』島根県物産協会 1997年7月発行
・不昧公200年祭記念事業推進委員会事務局.“不昧公について”https://fumaikou.jp/about(参照2018-9-20)
・不昧公200年祭記念事業推進委員会事務局.“記念事業について”https://fumaikou.jp/anniversary(参照2018-9-20)

   

 あなたにぴったりの神様は? (2018年11月分)

             
神様         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。

  

  
 

  


 皆さんは、初詣等で神社に参拝する時、どんな神様が祀られているかを意識していますか?
 日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。太古の人々は、身の回りのあらゆるものに神様が宿っているとい考え、山や川等の自然物や、それ以外のもの(例:日常で使う道具等)を神として信仰していました。この考え方を基礎としつつ、『古事記』『日本書紀』といった神話に記されている神様や、歴史上の偉人が祀られた神様が存在しているのが、「八百万」と言われる理由です。
 今回は、現在日本の神社に祀られている代表的な神様と、そのご利益についていくつかご紹介したいと思います。
 例えば、大国主命は、縁結びや病気平癒の神様として、スサノオは、縁結びや厄除けの神様として、アマテラスは、所願成就(あらゆる願いを聞き届ける)の神様として、月読命(つくよみ)は開運祈願の神様として知られています。
 11月(旧暦の10月)を普通は「神無月」と言いますが、出雲大社に全国から神様が集まることから、出雲地方では「神在月(かみありづき)」と呼ばれています。そこでこの機会に、日本の様々な神々に触れて、自分のお気に入りの神様を見つけてみてはどうでしょうか。


【参考文献】
・東條英利著『ニッポンの神様名鑑』 ※『Discover Japan』2013年4月別冊付録
・ CR&LF研究所編著『幸せが授かる日本の神様事典 : あなたを護り導く97柱の神々たち』毎日コミュニケーションズ  2010年1月発行


           

 海外旅行先人気No.1はどこ? (2018年12月分)

             
神様         


PDF  ← 画像をクリックすると
     展示本のリスト(PDF)が表示されます。

  

  
 

  


 海外旅行先人気No.1、それは“台湾”です。
 一般社団法人日本旅行業協会がまとめた海外旅行先人気ランキングの結果では、2017~2018年の年末年始、今年のゴールデンウィークともに‟台湾”が1位でした。さらに台湾の人気は今年に限ったことではなく、昨年同時期のランキングでも1位で、近くて安全という理由から、家族旅行、女性グループなど旅行形態を問わず人気の旅行先となっています。
 ランキングは、次いでハワイ、タイ、シンガポール、香港、ベトナムとなっていて東アジア、東南アジアに人気が集中しているのが分かります。
 さて、みなさんはこの東アジア、東南アジア地域の歴史や文化についてどのくらい知っていますか?
 例えば、台湾の言語についてはどうでしょう。台湾の国語は「北京語」です。北京語では、「こんにちは」は「你好(にぃはぉ)」、「おはよう」は「早安(ざぉあん)」と言います。
 しかし、台湾人同士では「你好」を「りーほー」、「早安」を「がおざー」と発音します。これは「台湾語」です。台湾では、公的な場面では北京語が使用されますが、生活場面では北京語と発音が異なる台湾語が使用されているのです。
 また、台湾で使用される北京語は、中国で使用される北京語と表記も異なり、中国では「簡体字」、台湾では、日本の旧字体にあたる「繁体字」が使われています。そのため、簡体字では「台湾」、繁体字では「臺灣」といったような表記になります。
 このように、日本に近い国で人気の旅行先と言っても実は知らないことが多くあるのではないでしょうか。
 今回は、上位にランクインしているアジアの国や地域に関する本を展示します。様々な文化を知るきっかけにしたり、旅行を考えている人などは参考にしてみてください。

 

【参考文献】
・砂岡和子、池田雅之編著『アジア世界のことばと文化』成文堂 2006年発行
・赤松美和子、若松大祐編著『台湾を知るための60章』明石書店 2016年発行
・ayaco著『台湾のたびのしおり』ワニブックス 2011年発行
・一般社団法人日本旅行業協会."旅行データバンク"https://www.jata-net.or.jp/data/(参照2018-12-11)