2016年の展示
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学校給食の今と昔(2016年1月分)
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1月24日から30日の1週間は、文部科学省が定める「全国学校給食週間」です。 現在、学校や保育園等で実施されている給食は、子どもたちの健康が考えられた献立であるのはもちろん、豊かな食生活や食習慣を身に着けるための教育の機会 として位置づけられており行事食や郷土食を取り入れるなど様々な工夫がされています。
しかし、昔の給食は、経済的事情による欠食や健康不良の子どもの増加がきっかけではじめられ、また戦後の困窮という社会事情も影響したため、現在とは意味合いが異なり献立を比較してみても品数や栄養バランス、食材など違いがあります。
年 代 |
献 立 (例) |
関 連 事 項 |
明治22年 | おにぎり、塩鮭、菜の漬物 | おにぎり、塩鮭、菜の漬物 |
大正12年 | 五色ごはん、栄養みそ汁 | 学校給食が栄養改善事業として注目される |
昭和22年 | 脱脂粉乳、トマトシチュー | 海外からの物資の寄贈によって提供される |
昭和27年 |
コッペパン、脱脂粉乳、鯨肉の竜田揚げ、 千切りキャベツ、ジャム |
小麦粉に対する半額国庫補助が行われる |
昭和52年 | カレーライス、牛乳、塩もみ、くだもの、スープ | 昭和51年に米飯給食が導入される |
平成18年 |
長谷の恵みの五穀ごはん、杣人(そまびと)汁、 ニジマスの香味ソース、野菜のえごま味噌マヨ 和え、すりおろしリンゴゼリー |
食育推進を目的に全国学校給食甲子園が 開催される 第1回の優勝レシピ |
平成24年 |
【地場産食材メニュー】松江市立八雲小学校 栗入りお赤飯、ぶりの照り焼き、磯の香りあえ、 ふるさと汁、季節のくだもの、牛乳 |
藤原勝子、平山裕美編 『おうちでスクールランチ39』(群羊社) 掲載レシピ |
表のように充実した献立が提供できる社会になった一方で、飽食による肥満や偏った栄養摂取などの新たな問題が生まれており、「全国学校給食週間」には、食育の授業を行ったり、保護者も含めた食に関する講演会の開催などの取り組みもされています。
みなさんもこの機会に給食の歴史に触れ、食生活の大切さについて考えてみたり、指導する立場で給食について考えてみてはどうでしょうか。
【参考文献】
・萩原弘道監修『実践講座学校給食 第1巻 歴史と現状』 名著編纂会 1987年10月発行
・全国学校栄養士協議会監修『実践講座学校給食 第13巻 資料・索引』名著編纂会 1988年4月発行
・文部科学省.“平成26年度全国学校給食週間について”.文部科学省.http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/1299359.htm,(参照2016-01-12)
・全国学校給食連合会.“学校給食の歴史”.全国学校給食連合会.http://www.zenkyuren.jp/lunch/,(参照2016-01-13)
防災について考えよう(2016年2・3月分)
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皆さんは防災について考えたことはありますか?きっと、災害のニュースを見るたびに一度は考えたことはあるのではないかと思います。
今回、この近年にどのような災害が起こり、どのような被害があったか調べるため、気象庁のデータを元に過去5年間で建物が崩壊するなど人的被害を出した地震回数と震度平均、また、その地震によってどのような被害があったかを調査した表を作成したところ、このような結果となりました。
平成23年~27年までの主な被害地震回数・震度平均値・被害例 |
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地震回数 | 震度平均値 | 被害例(1回の地震による被害) |
平成23年 15回 | 震度平均値 5.7 | 住家全壊124,690棟 住家半壊275,118棟 死者 19,335名 不明者2,600名 負傷者6,219名 等 |
平成24年 7回 | 震度平均値 5 | 住家一部破損 9棟 負傷者3名 等 |
平成25年 7回 | 震度平均値 5 |
住家全壊 8棟 住家半壊 101棟 住家一部破損 8,305棟 負傷者35名 等 |
平成26年 7回 | 震度平均値 5 |
住家一部破損 57棟 負傷者 21名 等 |
平成27年 5回 | 震度平均値 5 |
住家一部破損 3棟 負傷者3名 等 |
今後いつ、どこでこのような大きな被害がもたらされる地震が起こるかはわかりませんが、もし、自分の身に起こった時どのような行動をすればいいのかわかりますか?すぐに対処が出来ますか?
防災には普段からの心構えが必要です。何も起こっていない時にこそ、防災について考えなければいけません。この機会に自分の周囲で起こる可能性のある災害を確認し、非常袋の準備、避難場所の確認等、災害に備えてみてはいかがでしょうか?
<引用・参考文献>
・気象庁.“日本付近で発生した主な自害地震(平成8年度以降)”.国土交通省. http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/higai/higai1996-new.html,(参照2016-02-05)
松江城が国宝になったの知ってる? (2016年4月分)
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平成27年5月15日に、国の文化審議会において松江城を国宝に指定するよう答申がなされ松江城の国宝指定が決定、7月8日の官報告示によって正式に松江城が国宝になりました。
松江城は、昭和10年に一度国宝に指定されましたが、創建年がはっきりとせず、また構造上の特質も見出されていなかったことなどを理由に昭和25年に国宝指定が解除され「重要文化財」になっていました。
しかし、平成21年頃の松江開府400年をきっかけに国宝指定へ向けた活動が活発になり、学術調査が進んだことで構造的な特徴を解明。同時に、創建時の 重要な手掛かりでありながらも昭和12年の写真を最後に所在不明になっていた「祈祷札」の捜索も行われ、2012年ついに松江神社で発見されました。祈祷 札に記されていた「慶長16年(1611年)」が創建年の証明となり国宝指定の大きな決め手となりました。
今回は、松江城の他に国宝に指定されている姫路城、彦根城、犬山城、松本城に関する資料も紹介します。日本には現存天守12城(※1)がありますが、国 宝になっているのはこの5城のみで、松江城以外はいずれも昭和期に国宝に指定されたものです。松江にとっても日本全国にとっても歴史的な出来事となった国 宝松江城の誕生についてこの機会にぜひ学んでみてください。
※1…江戸時代以前の天守が残る城。国宝5城の他に、重要文化財の丸岡城、丸亀城、宇和島城、
弘前城、備中松山城、松山城、高知城がある。
【国宝5城の主なデータ】 『国宝松江城 美しき天守』参照
松江城 |
姫路城 |
彦根城 |
犬山城 |
松本城 |
|
天守の |
1611年 | 1608年 | 1606年 | 1620年改築 | 1615年ごろ |
築造城主 |
堀尾吉晴 | 池田輝政 | 井伊直継 | 成瀬正成 | 石川数正 康長父子 |
形式 |
平山城 | 平山城 | 平山城 | 平山城 | 平城 |
構造 |
4重5階地下1階 | 5重7階 | 3重3階地下1階 | 3重4階 | 5重6階 |
木造部の |
22.43メートル | 31.49メートル | 15.53メートル | 18.16メートル | 25.25メートル |
国宝 |
平成27(2015)年 | 昭和26(1951)年 | 昭和27(1952)年 | 昭和27(1952)年 |
昭和27(1952)年 |
【参考文献】
・山陰中央新報社出版部編『国宝松江城 美しき天守』山陰中央新報社 2015.10
・文化庁.”国指定文化財等データベース” http://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/index_pc.html,(参照2016-03-24)
引用・参考文献ってなに? (2016年5月分)
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大学生になったらレポートや卒業論文作成は避けられないものですが、どう書いたらいいのかわからない、という人は多いのではないかと思います。
特にレポート作成時に初めて書くことになるであろう「引用文献」「参考文献」といった言葉に戸惑うかもしれません。この「引用文献」、「参考文献」とはその言葉のとおりレポート・卒業論文を書く上で参考にした文献、引用に使用した文献のことを言います。これらの文献はレポート・論文に必ず明記しなければなりません。もし、引用・参考文献を記述しないまま自分の考えのように文章を作り変えてレポートや論文を作成し、それを提出・発表したとなるとそれは「盗用」という立派な犯罪行為になり、そのレポート・論文で得た単位や資格が取り消しになることもありますので、十分注意しておいてください。
また、引用・参考文献には重要な役割があります。それはレポート・論文の読者に対する文献案内という役割です。引用文献・参考文献の出典元をきちんと明記しておくことによって、同じテーマの研究・調査をしている人の文献調査の手間や時間短縮につながります。
さて、今回の展示ではレポートや論文の書き方について書かれた図書を中心に展示しています。レポートを書く際に是非参考にしてみて下さい。
<参考文献>
・石黒圭 (2012) 『この1冊できちんと書ける!論文・レポートの基本』 日本実業出版社
・石井一成 (2011) 『ゼロからわかる大学生のためのレポート・論文の書き方』 ナツメ社
・藤田節子 (2009) 『レポート・論文作成のための引用・参考文献の書き方』 日外アソシエーツ
18歳が投票出来るのは、いつから? (2016年6月分)
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知っている人も多いと思いますが、平成27年6月公職選挙法が改正され、これまで満20歳以上だった選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられることになりました。簡単に言うと、有権者が18歳以上になり、投票や選挙運動に参加出来るようになったということです。平成28年6月19日に法律が施行されるため、予定では7月25日に任期が満了する参議院議員選挙で本学の多くのみなさんが初めて選挙に参加することになります。今回の改正の意図としては、世界的にみて18歳までに選挙権が認められている国が全体の約92%であり世界の流れに沿ったこと、また未来の世代である若者に未来の日本を決める政治に関与してもらうことなどだと言われています。
今回の改正により、若者の政治への関心が高まると良いですが、現在の20代の投票率は低く、ある調査(※1)では、自身の力では政治の決定に影響を与えられないと感じている高校生は80.7%もいるそうです。
しかし、そうあればより投票へ行き自分の意思を示すことが大切です。前回の衆議院議員総選挙の20代と60代の投票率を比較すると、人口比は1.4倍の差であるのに対し、投票数では約3倍にまで差が広がります。これでは、若者の声が政治へ届かず、若者向けの政策が実現しにくくなったり実現までに時間がかかったりする可能性があります。自らの生活のためにも、投票へ行き自分の意志を反映させましょう。
とは言っても、初めての選挙は分からないことが多くて不安、選挙や政治のしくみがよく分からないという人もいると思います。選挙権年齢引き下げに関する資料や選挙・政治に関する本などを展示していますので、今回の展示をきっかけに少しでも興味を持ってみてください。
※1…(財)日本青少年研究所「中学生・高校生の生活と意識」(平成21年3月)
【参考文献】
・総務省.“選挙年齢の引下げについて「高校生向け副教材『私たちが拓く日本の未来』について”総務省. http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/senkyo_nenrei/,(参照2016-05-18)
着地型観光って何? (2016年7月分)
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着地型観光という用語は、地方自治体の地域振興や産業振興に関わる取り組みから使い始められたと言われ、地域の魅力発信やまちづくり推進の観点から現在各地で盛んに取り組まれています。
近年、インターネットの発達などによって旅行者のニーズが多様化し、画一的な観光プランではなく、その土地ならではの体験や文化交流をしたり、交通手段の変化によって現地に各自が集合し、それぞれの希望に応じた行程で観光地を回るなど多様な旅行形態が広がってきています。
そこで、各地域が地元の人しか知らない名所や独自の体験プログラムなどを企画したり、旅行者に向けてインターネットやフリーペーパーなどで魅力を発信したりしています。島根でも小泉八雲の「怪談」のゆかりの地を訪ねる「松江ゴーストツアー」や農山村での生活体験や民家に宿泊する「民泊」、奥出雲の魅力を女性目線で紹介する情報誌「Okutabi(オクタビ)」の発行などがされています。こうした動きのなかで、新たな魅力の発掘や旅行者を受け入れるためのまちづくりも必要となり、地域活性化にもつながっています。
今回の展示では、着地型観光について知ってもらうことで観光や地域振興について学んでいる学生のみなさんの参考にしてもらうとともに、旅行する際の選択肢を広げてもらえたらと思い企画しました。今年の夏休みは、着地型観光を意識した旅行プランを練ってみてはどうでしょうか。
【参考文献】
・尾家建生、金井萬造編著『これでわかる!着地型観光 地域が主役のツーリズム』学芸出版社 2008年11月発行
・観光庁.“いま、旅は「地元発信」が楽しい!~着地型観光のススメ~”観光庁. http://www.mlit.go.jp/kankocho/ko/shisaku/kankochi/chakuchigata.html ,(参照2016-07-20)
夏目漱石が残した最後の作品は? ~没後100年展示~ (2016年8・9月分)
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今年2016年は、夏目漱石が亡くなって100年になる年です。
漱石(本名、金之助)は、1867年1月9日に現在の新宿区で生まれました。東京帝国大学文科大学英文学科に入学し、卒業後は英語教師、イギリス留学、大学の講師などを経て朝日新聞の専属小説家となり、1916(大正5)年12月9日に胃潰瘍により49歳という若さで亡くなりました。
『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』、『こころ』など数多くの作品を残した漱石最後の作品は、直前まで新聞で連載していた『明暗』です。この作品は、188節からなる漱石最大の長編小説ですが、漱石の死によって未完のままとなってしまいました。
『明暗』は、津田由雄とその妻お延の結婚生活が描かれ、結婚して半年が経っても2人ともどこかかみ合わない溝を感じています。そんな時、お延が津田の元恋人の存在を知ってしまい、これから2人はどうなっていくのだろうというところで漱石の死によって断絶していまいます。そのため、結末の議論が活発にされたり、小説家によって続きが書かれたりもしています。
『夏目漱石事典』によると『明暗』は、漱石が主題としていた金銭、社会、家族、愛、我執、孤独、自然、身体、意識、病、都市などが構造的に取り込まれた集大成と言えると書かれているのと同時に、表現方法や小説の構造は、漱石文学の新たな出発点ともいえるとされており、未完であるが故に様々な見方がされています。
今回は、没後100年ということで遺作を取り上げましたが、展示では様々な漱石作品を展示しています。この区切りをきっかけに1つでも多くの漱石作品に触れてみてはどうでしょうか。
【参考文献】
・平岡敏夫ほか編『夏目漱石事典』勉誠出版 2000年7月発行
・『夏目漱石の世界(別冊太陽 日本のこころ231)』平凡社 2015年8月発行 )
第3回 教職員おすすめ本展示(学生図書委員企画) (2016年10月分)
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学生図書委員企画の「第3回教職員のおすすめ本展示」を行っています。
学生図書委員が、先生方や職員の方に原稿を依頼させていただき、その原稿を元にPOPを作成して本と一緒に展示をしています。是非ご覧ください。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
「ゲゲゲの鬼太郎」ははじめ「墓場鬼太郎」というタイトルだった?(2016年11月分)
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↑水木しげる先生のサイン本も展示しています
(小泉凡先生からお借りしました)。
漫画家・水木しげる先生の代表作「ゲゲゲの鬼太郎」は、今や子どもから大人まで、多くの人に愛されている作品になりました。そんな「ゲゲゲの鬼太郎」ですが、はじめは「墓場鬼太郎」というタイトルだったことをご存知ですか?漫画家として知られている水木先生ですが、絵を描くことを生業にし始めた当初は、紙芝居作家でした。その頃、1954年に発表した「蛇人」をはじめとする紙芝居が、「鬼太郎シリーズ」の前身です。
そしてその後、漫画家に転向した彼は、1960年に貸本漫画誌で「墓場鬼太郎」を発表します。それから、1965~1966年の間に少年漫画誌『週刊少年マガジン』で何度か短期連載された「墓場の鬼太郎」を経て、1967年に同誌で長期連載を開始した「ゲゲゲの鬼太郎」を以てやっと、皆さんがよく知る今のタイトルになりました。
また、水木先生と聞くと「妖怪」を描いた漫画家というイメージを思い浮かべる人が多いかと思いますが、実はそれ以外にも数多くの作品を遺しています。例えば、自らの戦争体験を描いた漫画や、自身の日常生活について綴ったエッセイ、出雲神話をテーマにした漫画等、妖怪に留まらず様々なジャンルの作品を世に送り出しました。
今回の展示は、そんな分野が多岐に亘る水木先生の作品や、水木先生の出身地である鳥取県境港市に関する本を展示しています。知っているつもりだったけれど、実は知らなかった・・・そんな水木先生や境港市の魅力に気付くきっかけになればと思います。
【参考文献】 ・桑田義秀編『最新版 妖怪まんだら:水木しげるの世界』世界文化社 2010年7月発行
遠いようで、実は近いところ?~北欧の魅力~(2016年12月分)
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「北欧」とは一般的に、北ヨーロッパにあるフィンランド・デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・アイスランドの5カ国を指します。皆さんは、この北欧に対してどんなイメージを持っていますか。高緯度に位置していることから、「寒い地域」という印象を抱いている人もいるかもしれませんね。札幌の年平均気温が8.9℃であるのに対し、北欧の各首都の年平均気温は約6.7℃であることから、確かに日本より気温が低い地域であることが分かります(但しデンマークは、年平均9.1℃と、北欧の中では一番温暖な気候です)。
また、近年はムーミンやマリメッコ等の北欧発のキャラクター・ブランドの流行や、社会福祉の充実に力を入れている点で注目を集めていること等から、「住み良い地域」「文化活動が盛んな地域」といったイメージを持っている人もいるかもしれません。実際、平成28年3月に国連が発表した、各国の国民の幸福度を測る「世界幸福度調査」の結果では、1位のデンマークを筆頭として、北欧5カ国全てが上位10位以内に入っています。
ところで皆さんは、冒頭で少し挙げた以外にも、私たちの身近に「北欧」に関するものが数多く隠れていることをご存知ですか。例えば、海賊としてよく知られている「ヴァイキング」は、8世紀から11世紀にかけて、デンマーク・ノルウェー・スウェーデンを拠点とし、アイスランド等のヨーロッパ各地を巡って「海賊行為・移住・交易」等の活動を行っていました。また、それぞれの国別に見ていくと、サンタクロースの拠点はフィンランドであり、『人魚姫』で有名なアンデルセンの出身国はデンマークです。更に、「叫び」でよく知られている画家・ムンクの故郷はノルウェーで、児童文学の『長くつ下のピッピ』で有名な作家・リンドグレーンはスウェーデンの出身です。
今回は、北欧各国への旅行本や、北欧出身作家の文学作品、北欧の文化・教育に関する本等を展示しています。その中でも特に、国同士が隣接しているフィンランド・デンマーク・ノルウェー・スウェーデンの4カ国に関することに焦点を当てました。北欧が脚光を浴びている中で、改めて皆さんの身近な所にある北欧に気づいてもらい、色々な観点から北欧を知るきっかけにしてもらえたらと思います。この機会に是非、皆さんの知らない北欧を見つけてみませんか。
【参考文献】
・ことりっぷ編集部編『北欧:ことりっぷ海外版』昭文社 2015年5月発行
・百瀬宏、村井誠人監修『北欧』新潮社 1996年5月発行
・二宮書店編集部編『データブックオブザワールド2016年版:世界各国要覧と最新統計』二宮書店 2016年1月発行
・"北欧", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2016-12-8)
・"世界幸福度調査、首位はデンマーク[社会]", NNA:アジア&EU国際情報2015-2016, JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2016-12-13)